ドイツ連邦保険医協会ガッセン会長(右)、ホーフマイスター副会長(左から2番目)と
ドイツ連邦保険医協会ガッセン会長(右)、ホーフマイスター副会長(左から2番目)と
第122回ドイツ医師会年次総会がヴェストファーレン州のミュンスターで開催された。
ドイツ医師会のフランク・ウルリッヒ・モントゴメリー会長からの招待に応じ、日医から横倉義武会長、道永麻里常任理事、畔柳達雄参与が参加した。
5月28日の開会式典では、テオドール・ウィンドホルスト ヴェストファーレン州医師会長、カールジョセフ・ローマン同州保健大臣、マルクス・ルー ミュンスター市長、イェンス・シュパーン ドイツ連邦保健大臣のあいさつが行われた。
モントゴメリー ドイツ医師会長のあいさつでは、海外賓客として、横倉会長、世界医師会レオニード・エイデルマン会長が紹介された。
総会には、24カ国約50名の海外賓客、約250名のドイツ医師会代議員の他、ドイツ全土から参加があった。
今年度の総会のテーマは、医療政策の他、「職場における医師の健康とWell-Being」であった。モントゴメリー会長は、2期8年の任期を終え、ドイツ医師会長を退任した。
総会期間中には会長選挙が行われ、クラウス・ラインハルト氏が新会長に選出された。ラインハルト新会長は、家庭医であり、4年間ドイツ医師会理事会メンバーを務め、Fee Regulations Committee委員長にも就任されている。
ドイツ連邦保険医協会ガッセン会長との面談では、両国の医療政策における最新の動向について議論を交わした。
その中では、「医師の権限に関する法律の中で、理学療法士、心理療法士、助産師などに明確な責任を持たせることなく、権限だけを高めようとしている動きがある」「医師の働き方に関しては、勤務医は時間外労働、夜勤も週末勤務もない」「医師の開業については、『医療供給構造法(通称:田舎医法)』によって地方では自由であるが、都会では開業権の移譲を受けなければならない」また、「保険医になるには疾病金庫との契約が必要であり、契約や事業計画に基づいて決定される」「医師の養成に関して、医学部の入学定員を1万2000人から1万4000人に増やそうとしている」ことなど、ドイツの現状について説明を受けた。
日本とドイツでは、仕組みが異なる部分もあるが、直面している課題は共通しており、お互いに協力できることを改めて確認した。