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令和元年(2019年)11月5日(火) / 日医ニュース

五輪後にも期待

 消費税増税後の景気変動や東京オリンピック後の景気後退についての議論が賑わしいが、景気の良し悪しは業界や地域、立場や年齢などにより感じ方が違うであろう。しょせん、「景気」は「気」、「気」は「気分」でもあり、ひとくくりで論じるには無理がある。
 オリンピック関連を含む都市開発・インバウンド急増などは、好景気の「気分」をつくり上げる一方、言うまでもなく地方の人材不足、資材不足・価格高騰などによる影響は尋常でなく、最近、有床診療所を新築した私は、負の「気分」に悩まされた。何しろ最初に言われた業者の一言、「先生、今は都会の建設ラッシュで鉄骨がありませんよ」に出鼻をくじかれた。
 さて、2020年はベートーヴェンの生誕250年である。オリンピックとも絡め、国内の音楽界では楽聖にちなんだ記念行事が計画されている。
 ベートーヴェンと国際イベントは不思議とつながっており、大阪万国博覧会が開催された1970年は生誕200年であった。
 万博関連の大阪国際音楽フェスティバルには、欧米・ロシアの名門オーケストラが一堂に会し、こぞって楽聖の曲を演奏した。それは、世界的な団体の来日が少なかった日本の洋楽シーンに活気を与えるとともに、その後はウィーンフィルやベルリンフィルという、世界最高峰の団体が頻繁にわが国を訪れるようになった。
 50年を経て、わが国の状況も大きく変わったが、来年のオリンピックと関連行事に大きな期待を寄せるとともに、その後のスポーツ振興や芸術・文化の熟成が続くことを願いたい。

(パパゲーノ)

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