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令和元年(2019年)11月5日(火) / 南から北から / 日医ニュース

院内BGM♪

 院内においてBGMを流される先生はいらっしゃいますか。またその際どのような選曲をされますか。
 当眼科医院では外来と手術室において曲目を変え、BGMを流しております。
 外来においては72弁オルゴールもしくはそのCDを掛けています。子どもの頃、オルゴールを聞いて眠った先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。オルゴールの音色にはどこか懐かしさを覚えます。その響きは、脳幹を刺激することにより自律神経の働きを正常化するとも言われており、オルゴール療法なるセラピーも存在します(ただし西洋医学が優位な日本においては眉唾物(まゆつばもの)かも知れません)。
 それはともかく、オルゴールには待ち時間にイライラしている患者さんの気持ちを和らげるだけでなく、さまざまな状況下におけるこちらの苛立ちを緩和させてくれる効果もあるように思います。
 さて、手術室においてですが、局麻下の患者さんの顔にはドレープが掛かっており、視覚が奪われてしまうため聴覚が非常に研ぎ澄まされた状態となっております。
 ですからBGMがなければ、バイタルのモニター音と手術装置の操作音のみになってしまい、双方の緊張感が増すように思います。
 そこでBGMの出番になるわけですが、曲に関しては基本患者さんが持ち込まれるCDを掛けるようにしております。少々手間は掛かりますが、あらかじめ用意して頂いたものを、術前に前室にいらっしゃる時から、術後に退室されるまでの間、掛けるようにしております。あくまで印象に過ぎませんが、聞き慣れた曲を流すことで患者さんにも幾分リラックスして頂くことができているように思います。
 実は10年前手術を始めた頃は、お年寄り=演歌との安易な発想から演歌のヒットメドレーを掛けておりました。しかし、皆が皆演歌を好むわけではないことに気づき、それならば個々が聞きたい曲を掛けようと考えたのです。
 その結果どうでしょうか、実にさまざまな曲が掛かります。曲名が分からない事などは日常茶飯事(にちじょうさはんじ)、意外な曲が掛かる事もあったりして、術後その話題になることもしばしばです。それによって患者さんとのコミュニケーションが取りやすくなったことも少なからずありました。
 最後に手術室で聞いた意外なBGMを三つ挙げてみます。
 1)自身がカラオケで歌っているもの
 2)落語
 3)般若(はんにゃ)心経
 術中、BGMは必ずしもこちらのテンションが上がるものばかりではありませんが、今日はどんな曲が掛かるのか期待感をもって、毎回手術の日を迎えております。

愛媛県 新居浜市医師会報 742号より

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