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令和元年(2019年)11月20日(水) / 南から北から / 日医ニュース

初めて見た!!

 毎日、野生のキジの鳴き声で早朝に目が覚める毎日を送っています。
 私が住んでいる家の裏には4階建てのビルほどの大きな木が5~6本生えています。その木のかなり上にカラスが巣を作っていることは2年ほど前から知っていました。そこから2羽のカラスが降りてきて、家の周りをちょこちょこと散歩している姿は時々目撃していました。カラスはかなり高い位置に巣を作るものだな、だから巣を見ることがあまりないんだなと感心していました。カラスの巣を見たこと自体が初めての経験でした。
 5月のある土曜日の朝に仕事に行く準備をしながら、2歳半になる息子を起こしてリビングに連れてきてオムツを交換している時でした。息子が突然「ア~ッ、ア~ッ」と窓の外を見て指さしました。リビングに大きな窓があるため外の景色が見えるのですが、息子が指さした先に、つがいと思われる2羽のカラスがじゃれながら散歩をしているようでした。
 よく見る光景だな~と気にも留めていませんでしたが、次の瞬間、灰色の毛むくじゃらの物体が2羽のカラスの後をついてよちよち歩いているではありませんか。私も起きがけで寝ぼけていたので思わず二度見してしまいました。灰色の毛むくじゃらの物体はよく見ると鳥のように見えるんです。慌ててネットで「カラスの子ども」と検索をしてみると、しっかり書いてあるんです。カラスの子どもは灰色なんだそうです。私自身、45年の人生で初めて目撃しました。カラスの子ども!!なぜか少しうれしい気持ちになり、しばし時間が経つのを忘れてカラスの子どもに見入ってしまいました。
 数時間後にふと、ある疑問が頭をよぎりました。あのカラスの子どもは歩くのも危なっかしいほどの子どもだったので、当然飛べるはずがないだろう......。では、あのカラスの子どもはどうやって高い位置の巣から地上に降りてきたんだろうか......。親鳥があえて下ろしたのか、それとも巣から転落したんだろうか......。
 今でもカラスを目撃すると、あのカラスの子どもは元気だろうか? すでに体も大きくなり黒くなって、どのカラスがあの子どもだったか判別できないんだろうなと、ふとセンチメンタルに考えてしまうこの頃です。

(一部省略)

岩手県 カシオペア医報 No.175より

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