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令和2年(2020年)1月5日(日) / 日医ニュース

女性医師支援の更なる充実と男女共同参画の実現を目指して

女性医師支援の更なる充実と男女共同参画の実現を目指して

女性医師支援の更なる充実と男女共同参画の実現を目指して

 令和元年度女性医師支援担当者連絡会が昨年12月8日、日本医師会女性医師支援センターと日本医学会連合の共催により日医会館大講堂で開催された。
 同連絡会は各大学、学会並びに都道府県医師会の女性医師支援に関する取り組み事例の情報共有を図ることにより、女性医師支援活動の更なる充実を図り、医療界の男女共同参画の実現に資することを目的に、昨年度から「大学医学部・医学会女性医師支援担当者連絡会」と、各都道府県医師会におけるブロック別会議の全国版である「女性医師支援事業連絡協議会」を一体として、開催しているものである。
 道永麻里常任理事の司会で開会。冒頭のあいさつで横倉義武会長(今村聡副会長/女性医師支援センター長代読)は、昨年3月に取りまとめられた厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」報告書において、「出産・育児期の女性など時間に制約のある医師が働きやすい環境を整える必要があることを考慮すべきである」とされていることを紹介した上で、働き方改革の観点からも、今後は男女問わず、医療界全体がより良い環境となることに期待を寄せた。
 続いてあいさつした門田守人日本医学会長/日本医学会連合会長は、昨年6月に行った日本医学会役員改選において女性理事が増えたことや、フランスでは国会議員選挙の候補者数を男女同数とする法律が成立されていることに触れ、国民的な議論を行い、本来の意味で男女共同参画の社会を目指していきたいとの考えを示した。
 その後、議事に入り、今村センター長が「令和元年度女性医師支援センター女性医師バンクの取組について」として、今後の同事業の展開を報告するとともに、復職・再研修支援施設への登録について協力を依頼した他、冊子『女性医師バンク12年のあゆみ』等を紹介した。
 次に、平川俊夫常任理事が、「病児・病後児保育およびいわゆる学童保育に対する支援の現状」として制度の仕組み等を、上家和子日医女性医師支援センター参与が、「医療界における男女共同参画は進んだか~女性医師支援に関するアンケート2014年調査と2019年調査から~」として、日本医学会分科会及び全国の大学医学部・医科大学を対象として行った女性医師、女性医師役職者数、割合等の調査結果を、それぞれ説明した。
 続いて、名越澄子日本医学会連合男女共同参画等検討委員会委員長が、「男女共同参画など多様な背景を持つ会員の学術活動への参画と今後の支援方策に関する調査結果について」として、平成30年6月4日~7月13日に129加盟学会へ実施した調査結果を報告。
 次に、松浦恵子大分大学副学長(ダイバーシティ担当)/女性医療人キャリア支援センター副センター長、多田弥生帝京大学男女共同参画推進委員会委員/医学部皮膚科学講座主任教授、宮崎真理子日本腎臓学会幹事長、大野和子日本核医学会評議員、片岡正川崎市医師会副会長、今村孝子山口県医師会副会長より、各大学、学会並びに医師会における女性医師支援の取り組み事例等の発表が行われた。
 その後の質疑応答・総合討論では、新専門医制度におけるカリキュラム制や専門研修にシーリングが設けられたことによる人員不足の問題、女子医学生インターンシップ事業への男子医学生の関与、基礎研究に対する支援の課題、復職・再研修における問題点、働き方改革への不安、女性医師バンク事業の将来的な発展など、さまざまな質問や意見、要望が出された他、活発な意見交換が行われた。
 最後に、総括を行った自見はなこ参議院議員は、自身の議員活動や「医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟」並びに「超党派・女性医療職エンパワメント推進議員連盟」の活動に触れ、「男女共同参画を目指すためにも、本日挙がったさまざまな課題に対し、26のコメディカルの他、職域を超えた議論が必要である」との考えを示した。
 当日は、大学、学会の関係者の他、都道府県医師会担当役職員ら266名が出席した。

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