「三つ子の魂百まで」のことわざがありますが、私の場合は「車好き」です。
幼児の頃は泣いていても車に乗せるだけで泣きやんだそうです。小学生になると車種名を暗記、運転免許が取れる18歳を楽しみに、その日を指折り数えていました。研修医の頃はスピードに憧れ、医学誌より自動車雑誌を熟読。30歳になると、車を持つより運転する事の楽しみに興味が移り、サーキットに行くようになりました。
30代最後の思い出として行った世界一過酷と言われるドイツのニュルブルクリンク・サーキット。一周20キロメートルで毎年多くの死者が出る危険なサーキット、その魔力に捕まり、生涯に100周を走るのを目標に毎年のように通い、500周くらいを超えて数えるのをやめた。恐らく2万キロメートルはそのサーキットで走ったが、速さより無事故を自慢したい。
そんな馬鹿な事をしていると、自動車関係の友人が増え、エセ自動車ジャーナリストとして、発表前の車に試乗、あるいは好きな車を無償で借りてきて乗り回している。
毎年開催のJAIA試乗会(ジャーナリスト対象)では、ベンツ、BMW、ポルシェ、ランボルギーニなどの外車を一気に試乗し、何も分からないのに偉そうに車が分かった気がしている。
隔年開催の東京モーターショーは空いているプレスデーに行き、プレスキットと呼ぶ報道関係者向けの資料、お土産を頂戴し、時には展示車両を見ながらランチをご馳走になり、車好きの至福の時間を過ごしている。
最近は氷点下20度になる場所に行き、スパイクタイヤで走って喜んでいたが、以前より車に対する情熱が減ったように感じている。「車好き」も還暦までだろうか。