ストラップとは、一般的には「何かをつり下げるひも」のことを指し、「ギターストラップ」など決してメジャーな単語ではなかった。一躍有名になったのは携帯電話(ガラケー)の普及によるのは周知のとおり。
当初、比較的重量があり高価であったガラケー。その落下・破損防止を目的に実理性の面から使われ始め、ガラケーの爆発的な普及に伴い、そのファッション的工夫も相まって瞬く間に広まった。そのファッション性や手頃な価格であることから、お土産やノベルティグッズとしての人気も後押しした。
近年、スマートフォン(スマホ)がモバイルフォン市場を席巻するようになり、ストラップもその運命を共にして急速に市場がしぼんでいるようだ。観光地の土産売り場などでもめっきり見掛けない。「スマホ用ストラップ」もあるようだが、何故か大衆には支持されていない。
僕はガラケーを持つようになってから20年以上になるが、最初の頃はストラップが何かに引っ掛かってしまうことがあるなどの実用的な理由から、しばらくストラップを使わなかった。みんなが何らか使っていることも気後れする理由であった。
ところが、ある時(確か2000年頃)、ストラップの専門ショップに何気なく立ち寄った際、目に留まった品物があり、衝動買いをして以後10年ほど愛用した。その当時乗っていた愛車(Chevrolet Astro)のミニチュアであった。とても気に入っていたが、車の乗り換えと機種変更を機に使わなくなっていた。
先日片付けをしていたら、偶然そのストラップを見つけた。改めて周りを見渡すと、ほとんどストラップを使っている人がいないことに気付く。使っているのはまさに実用性を重視したネックストラップのタイプがほとんど。
さて、僕はと言えば、いまだにスマホは持たずガラケーユーザーだ。それをことさら自慢するわけではないが、皆が使わなくなった今、懐かしさも相まって再度ストラップを使い始めた。街中や電車の中などでは、奇異に見られる視線を感じないではないが、それもこの歳ではさほど恥ずかしくもない。