城守国斗常任理事は、日本医師会が行った医療従事者等への風評被害に関する調査結果を公表した。
調査は都道府県医師会の協力の下、昨年10月1日から12月25日までの約3カ月間、各地域で起きた風評被害等を把握することを目的として実施したものであり、全ての都道府県医師会より回答を得た(総回答数698件)。
それによると、「医師以外の医療従事者」に対するもの(277件)が最も多く、主に看護師に対するものであったが、中には身内であるはずの家族や親戚からも交流を避けられるといった事例も散見された。
「医療機関」に対するもの(268件)については、患者の減少に伴う医療機関経営への影響に関するものが多く、「医師または医療従事者の家族」に対するもの(112件)としては、「学校や職場で暴言を受けた」「保育所や学校内で子どもが隔離された」など、家族にまでその被害が及んでいることが明らかとなった。
また、「医師」に対するもの(21件)としては、新型コロナウイルス感染症に対する過剰な心配によると思われる事例も見られた(下記図参照)。
好事例を横展開するための風評被害への対応に関する質問では、その多くが新型コロナウイルス感染症について丁寧に説明し、正しい理解を求めているということであった。
同常任理事は、今回の調査結果の中に"風評被害"というよりも医療従事者等に対する"いわれなき差別"と言える事例が見られたことを危惧。日本医師会としても、引き続き、日本医師会公式YouTubeチャンネル等で、医療従事者は地域の皆さんの生命と健康を守るため、過酷な環境下で一心に仕事をしていることに理解を求める動画の配信等を行っていく意向を示すとともに、「国にも対応を早急に行って欲しい」と要望した。
また、今回の被害の中には、新型コロナウイルス感染症について、正しい知識があれば起きないと思われる事例も多数見られたと指摘。国民に正しく恐れてもらうため、日本医師会としても情報提供に努めるとした他、国やマスコミに対しても正しい情報提供を求めた。
関連資料
問い合わせ先
日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代)