今度新しい従業員を採用した。名前はシロー君。働けと命令すれば24時間いつでも働く。しかも文句一つ言わずにモクモクと働く。きついから給料上げて下さいとも言わない。今日は体調が悪いから休ませて下さいとも言わない。お腹が空いたから食べるものを下さいとも言わない。部屋を暗くしても、文句も言わず働く。しかも月給はたったの2500円。半日分ではない。1カ月の給料なのだ。その正体は"ロボット掃除機"である。
ロボット掃除機というと丸形を想像するが、これはおにぎり型の三角形。身長は10センチである。レンタル料は月々2500円、電源さえあれば一人で掃除をして一人で充電器に戻り、実に頼もしい助っ人なのだ。
先日量販店に行くと、国内外15社、50種類のロボット掃除機が店頭に置いてある。高いものは15万円もする。安いものでも5万円。普通の掃除機に比べ割高である。本当にこんなロボット掃除機でゴミがきちんと取れるのだろうか。いい加減に清掃し、ゴミがたくさん残っているのではないのだろうか? そういう疑問ばかり湧き上がる。
すると掃除用品の会社がお試しでロボット掃除機を貸してくれるというので借りてみた。早速使ってみると、動きはアトランダムで予想できない動きをする。どういうシステムになっているのか分からないが、AIが効率的に動けるようにプログラミングされているのだろう。その姿を見ていると何か愛(いと)おしい気持ちになる。ユーザーの中には、まるでペットみたいに思えてニックネームまで付けている人がいるというが、その気持ちは何となく分かる。近付いて来るとついヨシヨシ頭を撫でたくなる気持ちになるのである。
ロボット掃除機が日本に登場したのは約20年前、なかなかその仕事ぶりを疑問に思っている人が多いのか、まだ日本での普及率は6%しかないそうだ。「効率よく清掃」「ぶつからない、絡まない」というキャッチフレーズで頑張っているロボット掃除機。そのうちにどんどん普及していくに違いない。頑張れシロー君。応援しているぞ。
(一部省略)
宮崎県 日州医事 第857号より