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令和3年(2021年)8月5日(木) / 南から北から / 日医ニュース

私の好きなスポ少活動

 いつかやってみたいことはゴルフとかダイビングとか登山とかいろいろあるのですが、息子がまだ小学生で休日は専ら子どもに付き合っている事が多く、自分のために時間をあまり割けていません。今の自分が好きな事を考えてみると、休日の子どものスポーツ少年団での活動と、時々夜に子ども達が寝た後、妻とお酒を飲む事です。
 最近の私の休日の過ごし方は息子の少年野球のスポーツ少年団に一緒に行って活動する事がほとんどです。現在小6の息子は、小2の時に自ら入団したいと言い出しました。親の私は大変そうだなぁ、嫌だなぁと思い、そのうち諦めるだろうと思ってしばらくスルーしていましたが、「いつになったら入団できるの?」と何度もせがまれ、息子の熱意に負けて入団を認めてしまいました。
 いざ入団してみると練習やら試合やら親が付き添わなければならない事が多々あり、予想以上に大変でした。始めた頃はまともにバットも振れず、キャッチボールもできなかった息子でしたが、監督・コーチの熱心な指導のおかげで徐々に上達し、4年生の秋からは試合に出る機会も多くなりました。私の方も最初は一父母でしたが、子どもがうまくなってくるとこちらもだんだん前のめりになり、監督からの依頼もあって昨年からは指導者資格を取ってコーチになり、父母会の会長にもなりました(自分も小学生の頃にスポーツ少年団に入っていましたが、父母会などありませんでした。今は大学生の活動でも父母会があったりするとの話も聞き、時代は変わったんだなと思います)。
 実際に自分が指導者となり指導者の視点で見てみると、少年野球にもいろいろな指導者がいます。ミスをすると子どもを怒鳴りつけたり懲罰的に交代させたりする指導者もいれば、子ども達が成長できるような前向きな声掛けをする指導者もいます。見ていて気持ちが良くて、素敵だなと思うのはやはり後者のタイプの指導者です。「人の振り見てわが振り直せ」とよく母親に言われましたが、何のために誰のためにやっているのか(もちろんプレイヤーズファースト、子ども達の成長のため)という趣旨を忘れず、子ども達の成長に少しでも貢献できるような指導者でありたいと思っています。
 私はコーチとして低学年(主に1~2年生)を担当することが多いのですが、野球の細かい技術を教えるというよりは、極力楽しく投げたり打ったりさせて、まず楽しんで野球が好きになるように心掛けています。低学年は集中力もそれほど続きませんし、野球の練習をしていても途中で飽きてしまう事も多々あるので、そういう時は一緒に砂いじりをしたり虫取りをしたりもします。
 自分の子どもでなくても、笑顔の子ども達と一緒の時間を過ごせることはとても楽しいし癒されます。大げさですが、これからの未来ある子ども達の成長に多少なりとも貢献していると勝手に思っています。始めた頃は嫌で仕方なかったスポ少活動でしたが、最近は子ども達と一緒に過ごす時間が楽しみになり、私の休日のライフワークになっています。
 よく子ども達は「君たちが野球をできるのはご両親や周りの大人たちのおかげだ、それに感謝してプレーしなさい」と言われます。それはその通りだとは思うのですが、一方で息子が「野球をやりたい」と言わなければこんなうれしい思いをする事や、他のお父さん達と一つの事に熱くなったりする事もなかっただろうなぁ、とも思い、スポ少活動に私を巻き込んで、私の交友関係を広げてくれた息子にひそかに感謝しているところです(最近はコロナの影響で、父親飲み会をしばらく開催できていないのが残念です)。
 今年でスポ少活動も最後かと思うと寂しい気持ちですが、子ども達に楽しませてもらっている日々に感謝しながら少年団の活動を応援していきたいと思っています。

(一部省略)

岩手県 奥州医師会月報 676号より

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