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令和3年(2021年)11月5日(金) / 日医ニュース

「COVID―19ワクチンと海外渡航の要件に関するWMA決議」を採択

 WMAロンドン総会が新型コロナウイルスの影響により、日程変更の上、オンライン会議で10月11日から15日に掛けて開催され、WMA理事である中川俊男会長、松原謙二副会長、橋本省常任理事の他、60加盟各国医師会及び国際機関等から約340名が参加した。
 また、事前会議として6日に開催された財務担当グループ及びWMA役員会には、WMA理事会副議長である松原副会長が出席した。
 15日の総会式典では、冒頭、イギリス医師会チャンド・ナグポール議長が歓迎あいさつを行った。
 その後、デビッド・バーブ第71代WMA会長(アメリカ医師会元会長)が退任し、スウェーデン医師会ハイジ・ステンスミレン前会長が第72代WMA会長(2021~2022年)に就任した。
 また、WMA次期会長には、ナイジェリア医師会オサホン・エナブレレ元会長が選出された。
 議事では、緊急案件として、「COVID―19ワクチンと海外渡航の要件に関するWMA決議」の他、医の倫理及び社会医学に関する文書が採択された。
 総会における主な議事内容は以下のとおりである。

(1)緊急決議

「COVID―19ワクチンと海外渡航の要件に関するWMA決議」
 ワクチン接種を受けた人の海外渡航は正常化し始めている。しかし、多くの国では、特定の国からの特定のワクチンを接種した人だけが完全なワクチン接種を受けていると見なされており、承認されていないワクチンを接種した人は依然として著しい渡航制限の対象となっている。
 このため、WMAとして、各国政府と欧州連合(EU)に対し、安全で公正な渡航の機会を可能とするため、公正で調和のとれた差別のない規則を直ちに適用し、特定のワクチンの受け入れを妨げる可能性のある深刻な懸念について国民に知らせるよう要請する内容となっている。

(2)医の倫理委員会関係

採択文書
「スポーツ医学におけるヘルスケアの原則に関するWMA宣言修正」
「女性と子供の医療へのアクセスに関するWMA声明修正」
「女性の医療に対する権利とそのHIV母子感染予防との関わりに関するWMA決議修正」

(3)社会医学委員会関係

採択文書
「太陽光防護に関するWMA声明」
「WHOへの台湾のオブザーバー地位と国際保健規則(IHR)への参加に関するWMA理事会決議修正」
「世界中であらゆる医薬品の入手性、品質及び安全性の確保を支持するWMA声明」
「医療賠償責任に関するWMA声明修正」
「外科と麻酔ケアへのアクセスに関するWMA声明」
「亡命希望者、亡命希望却下者及び不法滞在移民並びに国内避難民を含む難民に対する医療に関するWMA声明修正」
「家庭内暴力に関するWMA声明修正」
「貿易協定と公衆衛生に関するWMA理事会決議修正」
「イラン・イスラム共和国における患者と医師の権利を支持するWMA決議修正」
「ニカラグアの医師の抑圧に関するWMA決議」

(4)財務企画委員会関係

①WMA施行細則改正
 施行規則改正に関する作業部会(総会前にオンライン会議として3回開催、松原副会長が参加)から、会長選挙の透明性を高めるための結果公表のあり方、中小加盟各国医師会による理事席追加案について報告が行われ、改正案が承認された。
②WMA準会員に適用される規則修正
 橋本常任理事が作業部会の設置を提案し承認された。今後、来年4月のWMAパリ理事会に向けて、オンラインによる作業部会を数回にわたり開催して修正案を検討していく。
③会議開催日程
 2022年:4月パリ理事会(フランス)、10月ベルリン総会(ドイツ)
 2023年:4月ナイロビ理事会(ケニア)、10月キガリ総会(ルワンダ)
 2024年:4月理事会(未定)、10月ヘルシンキ総会(フィンランド)
④新規加盟医師会
 申請なし

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