閉じる

令和3年(2021年)11月5日(金) / 日医ニュース

後藤厚労大臣、山際経済再生担当大臣、堀内ワクチン接種推進担当大臣と相次いで会談

後藤厚労大臣後藤厚労大臣

後藤厚労大臣後藤厚労大臣

 岸田新内閣が10月4日に発足したことを受けて、中川俊男会長は今村聡・松原謙二・猪口雄二各副会長と共に、10月12日には厚生労働省で後藤茂之厚労大臣と、翌13日には中央合同庁舎で山際大志郎経済再生担当大臣、堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣と相次いで初会談を行った。

医療計画の見直しに当たり、必要な施策の検討の前倒しを求める

 12日の後藤厚労大臣との会談では、中川会長が大臣就任への祝意を伝えた上で、今冬、仮に新型コロナウイルス感染症の第6波が到来した場合の医療提供体制について触れ、万全の体制が取れるよう、引き続き日本医師会と厚労省が協力していくことを確認した。
 その後は、今般急激に新型コロナの感染者が減少している要因や、新型コロナ患者向け確保病床の空床時の取り扱い等について、3副会長を交えて意見交換が行われ、中川会長は、2024年度から「新興感染症対策」が新たに追加され「5疾病・6事業」となる予定の医療計画について、必要な施策に関する検討を前倒しで行うよう要請した。
 後藤厚労大臣は最後に、中川会長に対し、「ぜひ、医療現場の実情を聞かせて欲しい」と述べるなど、今後も両者が情報交換を密に行っていくことを確認した。

国産治療薬の開発と適正価格での供給実現を

211105b2.jpg 13日の山際大臣との会談の中では、まず、中川会長が新型コロナウイルス感染症新規感染者数の急減状況が全国的に続いていることに触れ、「新規感染者の減少は喜ばしいが、ワクチン接種推進だけがその要因とも言い切れない。その他の要因が不明のままでは、増加に転じた時に有効な対策が取れないのではないか」と指摘。更に、現在の状況が続くことで国民の間に感染対策への油断が生じ、今後、新規感染者が増加に転じた際に、緊急事態宣言等、強力な対策を実施するに当たり、国民からのコンセンサスが得られないのではないかと懸念を示した。
 これに対して、山際大臣は一定の理解を示した上で、コロナ後の経済活性化策について触れ、訪日外国人受け入れ体制の整備、海外との交流の復活、経済構造の転換が必要になるとの考えを示した。
 更に、「再度の感染拡大に備えるためにも、引き続き医療従事者や病床の確保を続けていくことが必要であり、その実施に当たって、日本医師会を始めとした医療界の知見が求められる」と述べたことに対して、中川会長は、日本医師会としても引き続き協力していく意向を明らかにした。
 また、コロナとの共生については、猪口副会長が「新型コロナウイルス用の経口薬が開発されれば、新型コロナウイルス感染症をインフルエンザ並みの扱いにできる可能性もある」とした他、今村副会長は、新型コロナワクチンと治療薬の開発が共に海外に依存している現状を憂慮し、「国内での治療薬開発と、国産の治療薬が適正な価格で供給される仕組みづくりが必要」と指摘した。
 その他、中川会長と山際大臣は、感染状況にかかわらず、マスクの着用や手指消毒、三密を避ける、換気といった基本的な感染対策の継続が今後も必要であるとの認識で一致した。

ワクチンの早期の確保を要請

211105b3.jpg 引き続き行った堀内大臣との会談では、冒頭、堀内大臣から日本のワクチン接種率について、日本国内の接種人数の全人口に占める割合が1回目で約75%、2回目で約65%に達しているとして、全国の医師会並びに医師会員の協力に対して、謝辞が述べられた。
 これを受け、中川会長は、1日100万回の接種目標が掲げられたことに対し、全国の医師会と医師会員が総力を挙げて取り組んだ結果、100万回を大きく上回る回数を達成する日もあったことを説明し、特に診療所・病院での個別接種が接種率向上の推進力となったと強調。また、今回の接種事業を経験したことで接種のノウハウも蓄積されているとし、3回目のワクチン接種に当たっては個別接種を軸に進めること、また、医療従事者への接種を先行して進めることを要望するとともに、交互接種について、その有効性や実施の可否を政府内で早急に検討する必要性を指摘した。
 これに対し、堀内大臣は、かかりつけ医による接種は被接種者に安心感を与えることができるとするとともに、交互接種及び12歳未満の国民への接種については、専門家の意見を聞いた上で方針を決めていくとの意向を述べた。
 また、今村副会長は、自院で使用しているワクチンの種類についての問い合わせを受け、特定の種類のワクチン接種を希望する人が多い現状を報告し、ワクチンに関する誤情報の拡散がその一因との認識で一致した。更に、松原副会長が、3回目の接種に向け「製薬会社と契約したから安心ではなく、希望者全員に行き渡るだけのワクチンを、なるべく早く確保してもらいたい」と要望したことに対し、堀内大臣は、河野太郎前大臣から引き継ぎを受けており、10月12日に岸田総理が新型コロナワクチンの3回目接種費用は国費負担と表明したこともあり、「製薬会社に対しては、契約の履行とワクチンの早期納入を繰り返し求めていく」と応じた。
 会談の最後に、堀内大臣はワクチン接種推進に対する引き続きの協力を改めて要請。中川会長は、日本医師会として変わらず協力していくことを約束した。

関連キーワードから検索

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる