閉じる

令和4年(2022年)1月20日(木) / 日医ニュース

後藤厚労大臣から医療提供体制の確保に向けた協力要請受ける

後藤厚労大臣から医療提供体制の確保に向けた協力要請受ける

後藤厚労大臣から医療提供体制の確保に向けた協力要請受ける

 中川俊男会長は昨年12月28日、後藤茂之厚生労働大臣の要請に応じて、山本信夫日本薬剤師会長、福井トシ子日本看護協会長と共に厚労省を訪れ、後藤厚労大臣から新型コロナウイルス感染症の感染拡大に備えた医療提供体制の確保に向けた協力要請を受けた。
 会談の中で、後藤厚労大臣は仮に今後、急速な感染拡大が生じた場合に、保健・医療提供体制確保計画で整備した体制が即座に確実に稼働できることが必要だとして、(1)自宅療養者への支援、(2)経口薬による治療の確保、(3)検査体制の確保、(4)患者にとって分かりやすい情報発信、(5)人材確保―の5点について、協力を求めた。

5項目の協力を要請―後藤厚労大臣

 (1)では、オミクロン株による感染拡大に備えるため、健康観察やオンライン診療・往診、訪問看護、薬の提供等を実施する機関を増やす必要があるとして、これらの実施拡大について協力を要請。「特に、診療・検査医療機関は検査のみならず、自ら診断した自宅療養者について、陽性判明後、引き続き健康観察・診療を実施してもらいたい」と述べた。
 (2)では、経口薬を処方する医療機関の拡大や医療機関間の連携により、診断の当日ないし翌日に投薬可能となるような体制の確保及び患者が薬局に来局せずに経口薬を手に入れられるよう、医療機関と薬局の連携による体制の構築を、また、(3)では、検査需要の急激な増加に備えて、都道府県・保健所からの要請に応じて、診療・検査医療機関や地域外来・検査センターの増設、診療時間延長など、検体採取体制の拡充をそれぞれ求めた。
 更に、(4)では、診療・検査医療機関や健康観察、オンライン診療・往診等に対応する医療機関、訪問看護の事業所などの公表に協力を求めるとともに、患者にとって分かりやすい情報発信を要請。加えて、(5)では、感染の急拡大に備えて、更なる医療人材の確保とともに、都道府県の圏域を超えた派遣への協力もお願いしたいとした。

医療提供体制に万全を期す―中川会長

 これに対して、中川会長はまず、ワクチンの追加接種について柔軟な前倒しを迅速に決めてもらったことに感謝の意を示した上で、日本医師会としても追加接種に全力で取り組む考えを改めて表明した。
 自宅療養者への対応に関しては、「自宅療養が大変重要になる」との認識を示した上で、大都市圏の都道府県医師会を中心に、第4波、第5波を踏まえた今後の対策についてヒアリングを行っていることを報告。「その結果からも各地域では行政とタッグを組んで、自宅療養者の最大想定数にも対応できる体制が構築できていると考えている」とした。
 また、医療人材の確保については、日本医師会としても多数の病院団体の協力を得て、人材育成も含めた医師確保のためのネットワークづくりに努めていることを明らかにした。
 更に、「投薬対象患者の不安を取り除くためには、万が一、重症化した場合にも速やかに医療機関で対応し治療できる体制が重要である」と指摘。「そのためにも、特に病院においては保健所から要請を受けた入院患者の対応だけでなく、院内処方を希望される地域の患者に医療機関で薬を提供できるよう配慮して欲しい」と要望した。
 その上で、中川会長は、「年末年始を迎え、感染の再拡大も懸念される」として、日本医師会としても医療提供体制に万全を期す考えを示した。

関連キーワードから検索

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる