閉じる

令和4年(2022年)2月5日(土) / 南から北から / 日医ニュース

食レポ

 最近、テレビのグルメ番組を見るのがマイブームとなっている。大盛り・激安・変わった料理などを紹介する番組だ。行ける範囲のお店が出たりすると、メモをしてしまう。また班旅行では、旅行先のご当地おでん屋に繰り出すのが恒例となっている。このため、おでん特集だったりすると身を乗り出して見てしまう。
 芸能人が料理の味を何とか伝えようとする。「ジューシーでまったりとした......」「初めXXの味がして、後から〇〇の味が追い掛けてくる」「口の中でハーモニーを奏でる」など、いわゆる食レポと言うものだ。語彙(ごい)が少なく表現力が乏しい私にとっては、至難の業である。ましてや、もし『......格付けチェック』に出たとしたら、あっという間に画面から消えてしまうような味覚をもった私には無理な相談だ。
 味覚を言葉で表現すると言うことは、ある事象を別の次元の事柄で表すと言うことで、土台無理な話である。(相対性理論だのシュレーディンガー方程式だの難しいことは置いといて)1センチと1秒と1℃ではどれが一番重いでしょうか、と言われても答えようがない。唯一「○○の味に似ている」「○○の食感に似ている」と表現すると分かる気がする。
 食べる時に、どうしたら奇麗に見えるか鏡を見て練習する人もいると聞く。一方ではお箸を正しく持てていない人も少なくなく、これでよく持てるなと思う人もいる。テレビに映り、多くの人に見られる可能性があるからには、もう少し何とかして欲しいものだ(家族に言わせると私もおかしいらしいのだが、テレビに出る心配がないので良しとする)。以前、ある高校の推薦入試に「お箸を正しく持てるようにしてくること」という課題があったと記憶している。
 お箸と同様にペンの持ち方が豪快な人もよく見掛ける。領収証を書いてもらう時に驚くことには慣れたが、絵や字を書くCMや番組に出る人は事前にチェックして欲しいものだ。自分のことは棚に上げて『ケンミン......』『せっかく......』など、いつかコロナが終息したら食べてみたいと、今日も楽しく見ている。

埼玉県 浦和医師会報 第733号より

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる