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令和4年(2022年)9月5日(月) / 南から北から / 日医ニュース

ウクライナと アマチュア無線

 89歳なのに70歳ぐらいに見える、かれこれ15年のお付き合いの患者さんのお話です。
 今も変わらず、お話がスマートでインテリな方だったので、ご職業を聞いたところ、以前は造船所でエレクトロニクス関係の仕事をしていたと言います。62歳で定年し、その後、特殊技能を買われて70歳で退職。70年前に取得したアマチュア無線を今でもやっているのが元気の秘訣(ひけつ)と教えてくれました。毎日世界中の誰かと英語でお話ししているそうです。
 以前からウクライナの人ともつながり、今この大変な時でも無線で呼ばれるそうです。意外にも、相手は同じウクライナに住むロシア人であるため、一般の方は、皆ロシア人とは仲良しとのことです。そして、ウクライナの人は意外にも日本人のことを大好きで、いろいろ話してくれるそうです。
 この患者さんは、もちろん糖尿病コントロールは良好です。時々ワイフが甘い物を好んで一緒に食べてしまう!と言っておりましたが、このぐらいのHbA1cなら、少しぐらいの甘い物は良しとします。むしろ奥様とのコミュニケーションの時間を大切にして頂き、これからも夫婦仲良く趣味に励んで頂ければ幸いです。
 デジタルのSNSよりもアナログのアマチュア無線には何か良さがあるんだと思います。いつの時代も、人と人は共に生き、癒されなければなりません。89歳になってもそういう楽しみがあるということは、糖尿病にとってもプラスなことだと感じました。
 やはり60歳を過ぎてからどう生きるかが生活習慣病にとって、いや人生にとって、とても重要だとつくづく思います。診察中にたくさんの患者さんに趣味などを聞いていますが、なかなか面白い趣味をお持ちの方が多く、皆さん人生を楽しんでおられ感心しております。

神奈川県 横須賀市医師会報 NO.364より

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