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令和5年(2023年)2月20日(月) / 日医ニュース

新しい戦前

 戦後78年目となる令和5年が明けた。昨年暮れのテレビ番組「徹子の部屋」にゲスト出演した、終戦の年生まれのタモリさんは会話の中で、司会の黒柳徹子さんに「来年はどんな年になるでしょう」と聞かれると、「新しい戦前になるんじゃないでしょうか」と答えた。
 この簡潔な言葉にさまざまなニュアンスが盛り込まれ、今の時代の空気感を表現しているようで、SNS上でも話題となった。
 ロシアのウクライナ侵攻とフィンランドなど隣接国との緊張、米中緊張、台湾への中国の圧力などの国際環境だけでなく、わが国日本も北朝鮮からの頻回のミサイル発射、中国の頻回の領海侵犯などに対し、岸田総理は防衛費の増額や敵基地攻撃能力向上を打ち出した。
 先の見えない新型コロナウイルス感染症も加わり、日本だけではなく全世界が不穏な時代に突入しつつある象徴として「戦前」と表現したのかも知れない。
 タモリさんはその後、この発言に踏み込んで言及していないので真意は不明だが、タレントのラサール石井さんは、「今生きている日本人がほぼ誰も経験したことのない戦前が、もうやって来ている。このままでは同じ道をたどることになる」と警鐘を鳴らし、「永遠の戦後を続けなければならない」と述べた。
 ウクライナ侵攻も2年目に突入、新型コロナウイルス感染症も4年目に突入する不安な年だが、平和を祈る気持ちは誰もが望むことで、危惧(きぐ)する戦前にならないように願いたい。皆様は何を願って新年を迎えられましたか?

(グリーン)

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