閉じる

令和5年(2023年)4月5日(水) / 日医ニュース

キルギス共和国非感染性疾患(NCDs)対策研修で「かかりつけ医と生活習慣病」について講義

キルギス共和国非感染性疾患(NCDs)対策研修で「かかりつけ医と生活習慣病」について講義

キルギス共和国非感染性疾患(NCDs)対策研修で「かかりつけ医と生活習慣病」について講義

 国際協力機構(JICA)から「キルギス共和国『非感染性疾患の早期発見・早期治療のためのパイロットリファラル体制強化プロジェクト』」における研修の依頼を受け、3月8日、「非感染性疾患(糖尿病)に対する日本医師会の取り組み」と題して黒瀨巌常任理事が講義を行った。
 参加者は、キルギス保健省からイブラエワ・ヌルグル保健省医療施設・医薬品政策局長他3名、キルギス医師会ティレコフ・エルニス会長、その他、国立生涯教育センター、市・地区一般医療センター、州総合病院等の医師を含む計12名、及びJICA関係者4名であった。
 キルギス共和国は、中央アジア北東部に位置し、約20万平方キロメートルの国土の大半が標高1500メートルを超え、人口は約670万人。若年層を含めNCDsによる死亡率が約8割(世界全体では約7割)と高く、NCDsの早期発見・診断及び治療に必要な医療機材の整備、医療サービスの質の改善が喫緊の課題とされている。
 黒瀨常任理事は、かかりつけ医と生活習慣病について、かかりつけ医機能に係る診療所、病院の機能分化、機能連携の仕組み及びかかりつけ医機能研修制度を概説し、かかりつけ医の有無が国民の生活習慣の意識や日常の健康管理にも影響することを説明。その上で、生活習慣病の発症予防並びに重症化予防が一層重要になるとともに、身近にいて患者に寄り添う地域のかかりつけ医の役割が増大していることを強調した。
 更に、かかりつけ医診療の均てん化と機能強化のために、かかりつけ医の診療支援、地域の専門医との連携強化、診療の実態把握と学術研究を実施していることにも触れ、その具体例として、「日本医師会かかりつけ医診療データベース研究事業(J―DOME)」を紹介した。
 その後の質疑応答の中では、専門以外の診療所医師による糖尿病患者の診療についての質問に対し、黒瀨常任理事は「かかりつけ医は専門以外にも幅広い知識を持ち、常に生涯教育制度を通じて医学の進歩を学んでいるが、症状に応じて専門医に紹介している」と回答。
 また、「今回のような交流を通じて、日本医師会の経験を学びたい」との要望に対しては、「日本医師会では世界医師会の活動を通じて、日本の医療、日本医師会の活動について報告しているので、ぜひ、世界医師会に加盟し、そうした情報に接して欲しい」と述べた。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる