閉じる

令和5年(2023年)5月20日(土) / 日医ニュース

茨城県の医師確保~魅力ある病院づくり~

勤務医のひろば

茨城県の医師確保~魅力ある病院づくり~

茨城県の医師確保~魅力ある病院づくり~

 茨城県の人口は約300万人、都道府県別での人口当たりの医師数はこれまでずっと下位46番であった。医療・介護者や患者の首都圏への流出も多く、県内では医師偏在も問題となっている。
 これまで大学からの医師派遣にばかり頼ってきたが、県内で医師の奪い合いをしている場合ではない。むしろ首都圏や全国から茨城県に医師が集まってくるように、魅力ある病院づくりに発想を転換する必要があった。
 地方の行政首長はお金を出して医師を招聘(しょうへい)しようという発想が多いが、単にお金を出せば医師が来るわけではない。
 そこで、筑波大学では県内の地域拠点病院5カ所に大学附属の地域医療教育センターをつくり、教官の活動拠点を大学の外に置いた。
 単に医師不足だから地域の病院に医師を派遣するという発想ではなく、各診療科の関連病院の枠組みを越えて教官を派遣し、大学の外で臨床教育と研究を行い、学位取得も支援する。その地域ごとで若手医師を育成するのが目的である。とは言え、県外から医師が集まらなければ何も変わらない。
 魅力ある病院づくりの手始めとして、水戸協同病院に総合診療医で著明な徳田安春先生が筑波大学教授として赴任され、全国からたくさんの臨床研修医が集まり研鑽(けんさん)を積んだ。
 小児科医不足は深刻だが、県立こども病院に大学附属の教育拠点をつくり、教官を置いて若手医師を育成した。
 当院の大学附属の地域医療教育センターには、二次救急から在宅医療・介護までをマネジメントできる指導者を育成する講座が設置された。
 現在、日本の医師数は約34万人、その3分の2は勤務医である。勤務医は専門診療の手技と知識の自己研鑽に熱心だが、医師としての社会活動や医療行政については関心が低い。
 医師としての社会活動を臨床研修医の時から身近に感じてもらうことは、将来の医師人生において非常に重要であり、引き続き取り組みを進めていきたいと考えている。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる