コロナ禍も2年程過ぎた5月の最終月曜日の午前中に、以前注文していたワインを東京の酒屋が冷蔵車で届けてくれた。この会社の社長とは20年以上の付き合いで、食事のおいしい店によく出掛けた。
コロナ禍と時を同じくして、社長は日頃からのワインの飲み過ぎと美食のためか腎臓を患い、透析をすることになった。
その後、脳梗塞になり施設に入所し、娘と娘婿に会社の実務を任せることになった。
今回も娘婿が遠路はるばる運転して届けてくれたのだが、開口一番、「一昨日の土曜日に社長が亡くなりました」。心筋梗塞で急逝したとのこと。
突然の訃報に、社長との思い出が走馬灯のようによぎった。コロナ禍で2年以上会うことはできなかったが、こよなくワインを愛し、温度湿度が管理された保管場所が無ければワインは販売しない方針を貫き、ブドウづくりからレストラン経営と仲間達と協力し、夢を追い掛けた道半ばであった。
コロナ禍でお別れをできずにいたが、コロナ禍が下火になった今年3月に3年半ぶりに東京を訪ねて、やっとお別れをすることができた。
久しぶりに見た都会の桜の花は田舎とは別の風情があり、人波に圧倒されて帰宅した。
5月8日からはコロナも5類感染症になり、世の中はこれまでを取り戻すかのような勢いで動き出している。3年以上にわたるコロナ禍とは? 歴史の中でひも解かれることだろう。
我々の闘いは当分続くが、早く穏やかな生活を取り戻したい。
(SK)