ルワンダ医師会長と
ルワンダ医師会長と
世界医師会(WMA)総会が10月4日から7日を会期とし、キガリ(ルワンダ)で開催された。
日本医師会からはWMA理事として、角田徹副会長(WMA理事会副議長)、今村英仁常任理事、原祐一日医総研副所長(松本吉郎会長代理)の他、ジュニアドクターズネットワークから岡本真希医師が出席。全体の参加者は49加盟各国医師会及び国際機関等から約270名であった。
総会式典では、サビン・ンサンジマナ保健大臣が来賓あいさつを行った他、オサホン・エナブレレ第73代WMA会長が退任し、クウェート医師会のルジェイン・アルゴドマニ国際担当役員が第74代会長に就任した。
また、次期会長には、マレーシア医師会のアショック・フィリップ元会長が選出された。
会期中は、アメリカ医師会との夕食会や、アジア大洋州医師会連合(CMAAO)ランチョンミーティングを開催し、意見交換を行った。
総会における主な議事内容は以下のとおりである。
(1)緊急事項
「ネパールにおける医師に対する暴力を非難するWMA決議」
ネパールにおける医療従事者と医療施設に対する暴力の増加を深く憂慮(ゆうりょ)するとともに、WMA及びその会員は、ネパールの同僚との連帯を表明し、ネパール当局に対し、特に強固で協調的な政策の実施を通じて、医療従事者に対する暴力を防止し、終息させることを約束するよう求める決議。
(2)医の倫理委員会関係
①ヘルシンキ宣言改訂作業
作業部会のジャック・レスネック議長から進捗状況の報告が行われ、引き続き地域会議を開催して議論を進め、2段階のパブリックコンサルテーションを実施して検討していくことが承認された。
②採択文書
「公衆衛生緊急時における医の倫理に関する声明」
「医療技術の倫理的使用に関するWMA宣言」
「生物兵器に関するワシントン宣言」修正
「武力紛争及びその他暴力的状況におけるWMA声明」修正
「医の倫理及び人権基準に反して医師を迫害している国における国際医学会議に関するWMA決議」
(3)社会医学委員会関係
採択文書
「電子たばことその他の電子ニコチン送達システムに関する声明」修正
「強制及び圧力による不妊化に関するWMA声明」修正
「中国におけるウイグル人及びその他の少数民族に対する人権侵害の認識と非難に関するWMA決議」
「プライマリヘルスケアに関するWMA声明」
「ラテンアメリカとカリブ諸国の医師会を支援する決議」修正
「人間の健康を世界中の政府の主要な政策の焦点にすることに関するWMA声明」
「医療従事者に関するWMA決議」修正
「人間の性の自然な変異に関するWMA声明」修正
(4)財務企画委員会関係
①WMA戦略計画
現在の活動は2020―2025年のWMA戦略計画に沿ったものであることが確認された他、WMA役員会で2026―2030年のWMA戦略計画に関する検討を開始し、2024年4月に委員会に報告する予定となった。
②今後の会議開催日程
2024年:4月ソウル理事会(韓国)、10月ヘルシンキ総会(フィンランド)
2025年:4月モンテビデオ理事会(ウルグアイ)、10月ポルト総会(ポルトガル)