先日、大学時代の友人のSNS投稿に、中学時代にテストで数学が98点だった時の話がありました。友人が大学生の時に亡くなった父親は高校教師でしたが、その父親に「満点なら110点にも、120点にもなる。98点ならそれで終わり。だから満点じゃないと駄目なんだ」と深夜まで掛けて言われたことがあったそうです。その友人も父親となり、中学生の子どもが数学満点を持って帰った時、ほろ酔いなのもあってうれし涙が出てしまうという内容でした。
私にも中学の頃担任の先生に教えられ、今も心に残る言葉があります。「問題が自分で解けた時点ではまだ80点。その問題を他の人に説明することができたら90点。説明を聞いた人がその問題を解くことができて初めて100点となる」というものでした。
うちの子も受験生となり、最近は勉強を少しは頑張っているようです。その子にこの言葉を伝えたのですが、響いたかどうかは分かりません。休憩ばかりしている子の背後で、「お父さんはもう少し勉強していたと思うけどな」とつぶやくのがやっとです。
医療の進歩は目覚ましく、病気の考え方や治療法、薬など、新しいものがどんどん出てきており、遅れないようについていくのも大変です。勉強の日々が続きます。日常の診療でも、患者さんに説明する際、できるだけ分かりやすく説明することを心掛けていますが、本当に理解してもらい100点を取るのはなかなか難しいと思う日々です。