何げなく、ネットニュースを眺めていると、不用品をフリマアプリで売るという記事が目についた。不要品ではなく、不用品である。自分は使わないけど、まだまだ使用できる不要品を売る、というのは分かる話である。しかしながら、不用品、つまりは物としてもう使えない、いわゆるゴミとも言える不用品が売れるらしい。どんなものかと言うと、牛乳瓶の紙ぶたやトイレットペーパーの芯などが一例だそうだ。何でそんなものが、と思わなくもないが、使用例を読んで、なるほどと思う。子どもの工作の材料にするのだそうだ。
わが家には男の子が3人いるが、確かに小学生まではよく工作をして遊んでいるし、その手伝いもさせられる。材料として、トイレットペーパーだけじゃなく、ラップの芯、段ボール、空き缶、ペットボトルなどもよく使用する。段ボールなどは、工作の必須アイテムなので、わが家では捨てずにとってある。とっておいた段ボールはいつの間にかロケットや電車、バスなどに変身し、家のあちらこちらに置かれている。箱状ではなくなった段ボールの切れ端も、子どものお気に入りの絵本の表紙をコピーして貼り付け、ハサミで切り分けることで、オリジナルパズルに早変わりだ。
この前など、三男が某"見た目は子ども、頭脳は大人"な少年探偵が使用しているスケボーに乗りたいと言い出した。おもちゃ屋にスケボーを買いに行くことはできるが、いかんせんまだ3歳の子どもにスケボーは危険すぎる。ここは不用品工作の出番と考え、段ボールをスケボーの板の形に切る。段ボールでは上に乗ると折れ曲がるので、その裏に金属製のお菓子のふたを貼り付け、体重に耐えられるように補強。タイヤの代わりにラップの芯を前後に貼り付け、板代わりの段ボールにお気に入りのイラストを書かせれば、安全なオリジナルスケボーの出来上がりである。
難点は当然ながら、乗っても動かない。そのため、子どもごとスケボーを持ち上げて、某少年探偵のテーマソングを歌いながら、自分が走り回らないといけないことである。安全ではあるが、非常に疲れる代物だ。しかも妙に気に入ったらしく、日に何度も乗りたがるので、毎日10キログラム超のウエートを付けて走り回る羽目になってしまった。もうこれはこれでダイエット代わりになると思って諦めようと思う。
このように(?)、不用品は子どもにとって宝物の材料となることが大いにある。しかし、大人にとっては不用品はやはりゴミなので、いつまでも家に保管しておくというのは難しい。そんな時に、フリマアプリで安い値段で材料が多量に手に入るなら、購入するのも手と考えるらしい。しかし、やはり不用品をお金を出して買うのももったいないので、わが家では工作の材料になりそうな不用品は今しばらく、貯蓄しておくことにする。
(一部省略)
広島県 広島県医師会速報 第2589号より