閉じる

令和6年(2024年)12月20日(金) / 日医ニュース

令和6年度全国医師会勤務医部会連絡協議会「勤務医の声を医師会へ、そして国へ~医師会の組織力が医療を守る~」をメインテーマに開催(1)

勤務医のページ

令和6年度全国医師会勤務医部会連絡協議会「勤務医の声を医師会へ、そして国へ~医師会の組織力が医療を守る~」をメインテーマに開催(1)

令和6年度全国医師会勤務医部会連絡協議会「勤務医の声を医師会へ、そして国へ~医師会の組織力が医療を守る~」をメインテーマに開催(1)

 令和6年度全国医師会勤務医部会連絡協議会を、日本医師会主催、福岡県医師会担当で、10月26日に「勤務医の声を医師会へ、そして国へ~医師会の組織力が医療を守る~」をメインテーマとして開催し、全国から438名が参加した。
 冒頭、松本吉郎会長は「全医師に占める勤務医の割合は7割を超えており、医療現場の最前線で活躍されている勤務医の実際の声や意見を医師会がしっかりと汲(く)み上げ、国の医療政策に反映させていくことが重要である」とあいさつ。蓮澤浩明福岡県医師会長は「現在、医師会は組織強化を最重要課題の一つに掲げ、全国の医師会においてさまざまな取り組みが進められている。多くの勤務医がこれまで以上に医師会活動に参画することで組織が強化され、適切な医療政策と地域医療構想の実現につながる」と述べた。

特別講演Ⅰ「医師会のさらなる組織強化に向けて」

241220k2.jpg 松本会長は、「医療に関する制度・政策はいったん決定すると全ての医師がその制度に縛られるため、政策決定に至るプロセスの中で、医師会が医師の総意としての意見を集約し、主張していくことが必要不可欠になる」と指摘。組織力を強化し、医師会がプレゼンスと発言力を高めて、より有意義な医政活動を行っていくことが大変重要であり、そのためにも「医師になれば必ず医師会に入会することを基本とし、医師たる者は全て医師会活動に参画して頂くことが非常に重要」として、全国各地で行われている組織強化に関する取り組みに協力を求めた。

特別講演Ⅱ「2025年を目前に考える地域医療構想のこれまでとこれから」

 松本晴樹厚生労働省医政局医療安全推進・医務指導室長は、現在、その策定に向けて議論が進められている地域医療構想について、「この10年の地域医療構想は、後期高齢者の増加に対応するため、病床の機能分化・連携を中心として取り組んできたが、今後の新たな地域医療構想では、地域格差が拡大する大都市部・地方都市部・過疎地域の各医療需要の変化に合わせ、入院医療だけでなく、外来・在宅医療、介護とも連携し、医療提供体制全体の課題解決を図る地域医療構想へとシフトしていくことが求められている」と強調した。
 共同演者の中村洋心新潟県福祉保健部長は、新潟県の地域医療構想の策定に取り組んだ経験から、「客観的なデータに基づき検討するとともに、再編により影響を受ける医療従事者、地域住民との丁寧な話し合いを繰り返し行うことが重要」とした上で、地域住民が必要な医療を確保するため、オンライン診療などの新たな手法の積極的な活用等、医療の持続可能性と質の向上に向けた取り組みを紹介した。

日本医師会勤務医委員会報告「~勤務医のエンパワーメントを通した医師会の組織強化(2)~」

241220k3.jpg 一宮仁日本医師会勤務医委員会委員長は、前期(令和4・5年度)委員会の会長諮問「医師会組織強化と勤務医」に対して、(1)若手医師の入会促進に向けて、(2)勤務医のキャリア形成や働き方を支援する医師会の取り組み、(3)医師会組織の課題、(4)地域医師会の議論を医療政策につなげるために―からなる答申を取りまとめたことを報告。今期の委員会では「勤務医、若手医師、更には医学生へ意識を向け、勤務医の意見を集約する場の設置、勤務医の役員や委員への登用、所属機関の管理者や上司の医師会活動参画への理解促進等に向けて、実効性のある取り組みを行っていきたい」と述べた。

特別講演Ⅲ「医局改革大作戦―いかに新入医局員を5倍に増やしたか―」

241220k4.jpg 村上英樹名古屋市立大学整形外科主任教授は、「人が増えれば何でもできる!何でもできれば人は集まる!」をモットーとして行った医局改革の経験から、医局員を5倍に増やした15の秘策等の取り組みを紹介。これからのリーダー像は、「太陽のように組織の雰囲気を明るくし、皆にエネルギーを与え、個々人に光を当て続けるばかりではなく、夢や目標を支援する存在として、多様性を尊重して個々人の得意分野を見つけ出し、それを生かせる環境を与えることが重要」と訴えた。
 引き続き、「組織力強化に向けた勤務医の意見集約と実現」を共通テーマとして、二つのシンポジウムが行われた(第1519号へ続く)

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる