コンピューターは、「0と1」で全情報源を構成する。2進数が表現する単純なものだが、組み合わせにより無限の複雑性を表現する。単純で安定・正確であり、コンピューター使用者には、当たり前感があり既に意識下となっているだろう。
このコンピューターの進化が、AIという形となって世に出ている。人間が考えることや感じることまで、表現できる状態になりつつある。かつて、TV等の画像表現で、デジタルはアナログに近付くと勘違いしていた。全デジタル化時代が近付いている。
物質の成り立ちが、原子、分子等々からできているという表現を、デジタル化することは可能だと思う。脳を含めた身体構造や種々の反応をデジタル化できるのではないか。感情や考えも、神経伝達物質をデジタル化し、変化量や変化の度合いまでもデジタル化することにより、心の動きまでもAIが表現できるようになるのではないか。
人間そのものを全てデジタル化ができる時代が到来し、現代病の心の病も、精神疾患も、全身デジタル化スキャニングという技術ができたら、病も治ると期待したいところである。
しかし、人の心ほど揺れ動き、その動きは早く不安定で複雑であるから、AIの対応は? と感じるが、戦地でロボットに救護、応急処置を受け救われた兵士のニュースを耳にした。その兵士はとても安堵(あんど)したという話である。助ける、手を差し伸べる等の行為の主体がロボットであっても、「寄り添う」ことで兵士の心を動かしたのである。
(SM)



