私の趣味は「釣りキャンプ」です。10年ほど前から年に数回ファミリーキャンプをするようになり、コロナ禍に三密を避けるためソロキャンプを始めました。この頃はキャンプが大ブームでたくさんのキャンプ関連動画がYouTubeをにぎわせました。動画を眺めては、あーでもない、こーでもないと自分のキャンプスタイルを模索し、たどり着いたのが「釣りキャンプ」です。
海辺でのキャンプは夏の暑さが過酷ですが、今では釣り抜きのキャンプは考えられません。読んだ方に興味を持っていただけるよう、私が経験した「釣りキャンプ」を小説っぽく書いてみました(笑)。
Tシャツが肌にまとわりつく晩夏の昼下がり、長崎県平戸市にある、いつものキャンプ場にテントを張った。その日は私以外に利用客がいない、いわゆる「完ソロ」だった。波の音しか聞こえない静けさに、自然と笑みが出てくる。
テントを張り終えた頃、良い感じに潮が満ちてきたので、キャンプ場近くの岩場に立ち、無心でルアーをキャストした。何度目かのキャストで、ゴツンと重いアタリが竿に伝わった。グッと竿を立てて合わせ、根に潜られたらまずい!と必死でリールを巻いた。たまらない緊張感の中、水面に現れたのは尺超えの本命キジハタだった。関西では「冬のふぐ、夏のあこう(キジハタの別名)」と言われる高級魚だ。YouTubeで学んだとおりに魚を締め、急いでキャンプ場に持ち帰った。
いつもは寝かせて熟成させるが、今回はキャンプ飯としていただくことにした。三枚に下ろして半分を刺身に、半分はオリーブオイルと塩胡椒でカリッと焼いた。自分で釣った魚を、自分で火を起こして調理するのはとてもぜいたく。焼き上がった身を頬張ると、うまみが口の中にジュワーッと広がり、新鮮な剌身はザクッという食感でこれもうまい。日本酒が欲しくなった。一人飲みもキャンプの醍醐(だいご)味だ。誰にも気を使わず焚き火をさかなに酒を飲み、風の音、虫の声、波の音、空を見上げると満点の星空......完璧な夜だ。
釣りと料理とキャンプは、それぞれが別の楽しみのようでいて、実は深くつながっている。自然の中で、自分の手で食材を獲って、火を起こし、調理し、味わう......古くから人間がしてきた当たり前の営みかもしれないが、現代ではそれがとても豊かなことと、身に染みて感じた。
自分の世界に浸ってしまって恥ずかしいですが、楽しそうじゃないですか?
先のキャンプブームでは便利な道具が多数開発されました。ブームが下火となった今は、人気キャンプ場の予約が取りやすくなったり、道具が安く買えるようになったり、キャンプを始めるのにとても良いタイミングです。1泊でも、夜中に出発して釣りを楽しんでからキャンプ場にチェックインすれば、2泊分楽しんだような充実した週末を送れますよ。「キャンプを始めてみようか?」とご検討中の方はぜひ「釣りキャンプ」を! おススメです。



