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令和8年(2026年)9月20日(日) / 日医ニュース

木原内閣官房長官、上野厚生労働大臣に熊本地震等による被災医療機関の復旧に向けた財政的な支援等を強く要望

木原内閣官房長官木原内閣官房長官

木原内閣官房長官木原内閣官房長官

 松本吉郎会長は8月31日、水足秀一郎熊本県医師会長と共に、木原稔内閣官房長官並びに上野賢一郎厚生労働大臣と相次いで会談を行い、令和8年熊本地震及び令和8年8月千葉豪雨等による医療機関の被災状況を踏まえ、復旧に向けた財政的な支援等を求める2種類の要望書を提出した。

 熊本地震に関する要望書では、大きな被害を受けた熊本県内の多数の病院、診療所や介護施設等は地域医療への責任感から懸命に復旧作業を行い、業務の再開に努めているが、本格的な業務再開や被災地の地域医療、地域包括ケアシステム、かかりつけ医機能の復旧のためには、財政的な支援が不可欠な状況にあると指摘。その上で、復旧支援に関する補助を要請している。
 また、被災医療機関はいずれも地域の医療に不可欠な存在であることから、救急医療を始めとする政策医療の要件を厳格にせず、既存補助事業を柔軟に運用することや、新規事業の創設等に対する配慮とともに、補助に当たっては、被害の大きさや被災医療機関等の負担に鑑み、公私による差を設けず、事業者負担を極力最小限に抑えることを併せて要望している。
 具体的には、(1)中小企業庁と連携の上、「なりわい再建支援補助金」の対象に医療法人を加える、または厚労省において「なりわい再建支援補助金」に相当する補助事業を創設することにより、被災医療機関の復旧を確実に支援する、(2)独立行政法人福祉医療機構(WAM)による災害復旧資金の融資について、二重債務対策を含む特段の優遇措置を講じる、(3)被災地支援が長期化する可能性が高いため、被災県である熊本県医師会によるチームを含め、日本医師会災害医療チーム(JMAT)等の医療活動を支える災害救助法(災害救助費の支弁)の適用期間を必要に応じて延長するよう、関係府省と調整する―こと等を要求。
 この他、要望書には①医療施設等災害復旧費補助金による支援(対象拡大や補助率の引き上げ等)②業務の全部または一部が停止中の医療機関や介護施設等に対する復旧のための運営費の支援③被災地での医療従事者の住居確保を含めた人員確保に対する支援④仮設診療施設等の設置・運営に係る費用の補助⑤医療機関等の復旧に必要不可欠なライフラインの復旧と強靭(きょうじん)化⑥被災医療機関に適用され得る財政支援を所管する他省庁と連携の上、医療機関が最適な選択をするための支援策の取りまとめと提示⑦補助事業の周知徹底、申請手続きや実地調査等に関する丁寧な説明、手続きの簡素化、補助金の早期交付等への配慮―といった内容も盛り込んでいる。
 一方、千葉豪雨等に関する要望書では、被災医療機関等の復旧支援について、災害廃棄物処理の所管省庁への配慮の他、既存補助事業の柔軟な運用や新規事業の創設等を求めている。

期待に応えられるよう取り組む―上野厚労大臣

260920a2.jpg 上野厚労大臣との会談では、松本会長が熊本地震に関する要望内容を説明した上で、水足熊本県医会長が被災地の現状を報告した。
 水足熊本県医会長は、現場から「地震の影響で多重債務が苦しい」「平成28年熊本地震や令和2年7月豪雨からやっと再建したところで今回の地震に見舞われ、非常に心が折れた」といった悲痛な声が上がっていることや、精神科の病院もかなり被害を受けて経営が更に苦しくなっていることなどに触れ、現場の声に対応した支援を要請。また、「ご自身の医療機関の経営が苦しいにもかかわらず、JMATとして被災地に駆け付けてくれたところもある」と述べ、そうした医療機関への補助も求めた。
 続いて、松本会長が千葉豪雨についても言及。千葉市内の医療機関に相当被害が出ているとし、「水道や電気関係の設備に被害が出て稼働できない病院や浸水して医療機器等が使えなくなった診療所があるため、復旧支援をお願いしたい」と訴えた。
 併せて、線状降水帯による被害に見舞われた富山県や石川県、福井県における医療機関の被害状況も報告した。
 これに対し、上野厚労大臣は、熊本地震に関する支援について、自治体連携型補助金をベースに、なりわい再建支援補助金と同等レベルの支援を行えるように調整しているとした他、WAMによる支援もしっかりと行う姿勢を示した。
 その上で、「頑張っている皆さんの期待に応えられるように取り組んでいきたい」と強調した。
 また、千葉豪雨等への支援についても、「しっかりと状況を把握して対応していきたい」と応じた。

JMATを中心とした支援に感謝―木原内閣官房長官

 木原内閣官房長官との会談では、松本会長が要望書の内容を説明した上で、被災地の医療機関に対する財政的な支援を強く要望。また、熊本地震に対するJMAT活動については、その数は現地の医療機関の復旧や避難所の設置状況等に応じて減少していくが、ニーズは依然としてあることから、引き続き派遣を継続していく意向を伝えた。
 さらに、松本会長は千葉・富山・石川・福井各県での豪雨による医療機関の被害状況を報告。これらの地域の被災医療機関に対する支援も求めた。
 一方、水足熊本県医会長は「10年前の熊本地震並びに6年前の熊本豪雨で受けた被害の負債を抱えたまま経営を続けている医療機関も多い」として、今回の要望に対する理解を求めるとともに、避難所等で生活している方たちへの対応など、JMATによる支援はしばらく必要になるとの考えを示した。
 これに対して、木原内閣官房長官はまず、「JMATによって熊本の医療提供体制を維持することができている」として、これまでのJMATを中心とした日本医師会の支援に対して、感謝の意を表明。今回の要望に対しては一定の理解を示した上で、高市政権として既に支援パッケージを公表していることを説明し、「その中で被災医療機関に対しても支援を行っていきたい」と述べた。

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