健康三叉路No.1 エッセー 伝言板 目次 次号
夫婦喧嘩でストレス解消
ねじめ正一 (作家)

 私の健康法は夫婦喧嘩である。それも遠慮なく、ご近所に聞こえんばかりに堂々と罵り合う。喧嘩の勢いによっては掴み合いにもなって、子どもたちが仲裁に入る。

イラスト 喧嘩の理由は何ですかと聞かれれば、それは他愛もないことである。餃子の焼き方が悪いとか、ネギの切り方が悪いとか、テレビのリモコンをだれがなくしたとか、お風呂のフタをしていなかったとかである。つまり、深くものを考えずに、すぐに言葉に出してお互いを挑発する。当然、他愛もないことなのだから、あとになれば、しきりに反省するが、次の日になると、いつのまにか挑発し合っている。このくり返しで、長年やってきている。

 他人同士が夫婦になったのだから、抽象的な、他人ごとのような会話なんかしないで、共通の言語でとことんやりあえば、頭もボケないし、世間には見せない姿を家庭のなかでは徹底的に見せることによって、間違いなくストレス解消にもなっている。

伝言板 命や健康にも経済的実験?
 新聞紙上を賑わしている「構造改革特区構想」をご存じですか? 特定の地域で規制を緩和して経済活性化を図るという、政府の実験的な経済政策です。

 医療関係の特区も候補にあがっています。でも、医療にある程度の規制をかけることで、皆さんの命や健康を守っているのです。

 安易に規制を外し、命や健康を経済的な実験の対象にしていいものなのでしょうか。

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