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第2回医師臨床研修の検討委員会 卒後臨床研修と大学・大学病院の役割めぐり意見交換 |
議事では、岩砂和雄副会長の挨拶に続いて、文部科学省の赤塚義英・高等教育局医学教育科大学病院支援室長が「医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議第一次報告(案)」を説明。地域医療を担う医師の養成及び確保について様々な切り口から問題提起したうえで、入学者選抜方法や専門医の養成、大学病院の組織体制の在り方などについて引き続き検討するとした。 委員からは、医師国家試験について「大学教育が試験対策に偏り、臨床教育が骨抜きになっている」として、在り方の見直しを求める意見が相次ぎ、クリニカル・クラークシップ(診療参加型臨床実習)の充実が強調された。 厚生労働省の宮嵜雅則・医政局医事課医師臨床研修推進室長は「平成18年マッチングの結果」について、マッチ率が96.3%と4回実施した中で最高となる一方、その内訳は臨床研修病院51.2%、大学病院48.8%で、今まで臨床研修病院に押されぎみだった大学が0.5ポイント増加するという新しい傾向が生まれつつあるとした。 意見交換では、「大学はプログラムの工夫次第で、もっとマッチ率が上がるのではないか」「指導医が疲れて研修の募集人数を減らしている病院もある」「新医師臨床研修制度の実施により研修医は研修に専念することとなったため、マンパワーになりえず、この2年で誕生したはずの1万5,000人の新医師が臨床現場から消えたのと同じ」などの指摘や、各医療機関で行われている研修の内容や実際の待遇、研修後の医師の動向についての検証を求める意見が出された。 このほか、日医の取り組みについて内田健夫常任理事が「日本医師会による医師確保に関する見解」(白クマ通信No.516参照)について報告し、ドクターバンクのネットワーク化や女性医師バンクの創設などを紹介した。委員からは、中長期的な対策も重要であるが、来年春には地域医療体制の崩壊がさらに加速する地域もあり、早急な対策を求める切実な意見もあった。 問い合わせ先:日本医師会広報課 TEL:03-3946-2121(代) |
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