百日咳とは、百日咳菌の感染によって発症する急性の呼吸器感染症で、名前の通り長い期間咳が続くのが特徴です。日本でも、かつて10万人もの患者数が報告されていましたが、予防接種法に基づくワクチンの接種が始まり、患者数・死亡数は年々減少してきました。ところが、2005〜2006年には1,500人程度だった患者報告数が、2007年には約3,000人に倍増しています(感染症発生動向調査)。年齢別で見ると、年々20歳以上の患者が増える傾向にあり、2007年には3割を占めるまでになっています。
このように成人の患者が増えている百日咳ですが、感染症法では小児科定点把握疾患に分類されているため、成人の患者数は正確に把握されていません。そこで厚生労働省において、流行に対して迅速に対応するための「百日咳発生データベース」が作られ、登録が開始されました。