「みずむし」と「たむし」は、どちらも「白癬(はくせん)」という皮膚病の俗称であり、白癬菌(はくせんきん)という糸状の真菌(カビ)が原因です。後で述べますが、「みずむし:足」「たむし:体」というように、感染した場所によって呼び名が変わります。
白癬菌は、皮膚の最も外側の角質層に侵入して、角質層の主成分のケラチンというたんぱく質を栄養源にして増殖します。他のカビと同様に、湿度70%以上、温度15℃以上という高温多湿の環境を好みます。梅雨時から夏にかけてが特に活発になる時期です。また、体の中で高温多湿な場所といえば、やはり靴下と靴に包まれることが多い足です。そのため、足はいちばん白癬菌に感染して増殖しやすい部分になります。
では、いったいどのくらいの人がみずむしになっているのでしょうか。最近の疫学調査※では、日本人の4人に1人がみずむしにかかっているといいます。また、男女比については、「みずむしはおじさんの病気」というイメージを持っている方が多いと思いますが、男性の方がやや多いもののほとんど差がないという結果が出ています。
※日本臨床皮膚科医会が行った、水虫の治療以外の目的で皮膚科を受診した患者さん
に対する調査報告(2008年)を基にしています。
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