おふくろは、僕にとって一番大事な存在だ。そのおふくろが、今年の夏(8月5日)に73歳で亡くなった。
僕が、おふくろの大反対を押し切って相撲界入りを決めたのは、親に楽をさせてあげたい一心からだった。でも、ケガが多く、ずいぶん心配をかけてしまった。相撲に勝ってもあまりニコニコしなかったおふくろも、引退を報告したときはホッとした表情をしていた。もっともっと親孝行をしたかったと思う。
おふくろは、若いときの苦労がたたって、10年ほど前から心臓病と糖尿病をわずらい、そのうえ、人工透析も受けていた。死期を悟ったおふくろは、死の2カ月前から、周りの人とお別れをし、葬式の準備までしていた。肝っ玉かあさんらしい最期を誇りに思っている。
おふくろは、僕の目の前から姿を消してしまった。けれども、いつも、どこかで見守ってくれている気がする。生きているときよりも、おふくろを身近に感じるのは僕だけだろうか。(談)
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