96年名古屋場所、9回目となる274キログラムの小錦関との対戦。
立ち合いでパッと両手をたたき、「猫だまし」で奇襲、両前まわしをつかみ、相手の寄りを利用して下手ひねり、ここまではうまくいった。しかし、土俵際で右に回りこむ際、俵に詰まった左足を逃がす余裕がなかったのが不運。崩れ落ちる巨体を避けられず、左ひざが下敷きとなってしまった。
なんとか勝ち名乗りは受けたものの、左ひざ内側側副(ないそくそくふく)じん帯損傷で全治4カ月。レントゲンで、じん帯の部分断裂が確認され、相撲を取れるようになるまでに3、4カ月はかかるとのこと。
参りました!
体の小さい自分は、いつかこういうことが来るとは思ってはいたが。一場所休場し、十両で3連敗した時には、「もう終わりかな」と思った。切れそうな気持ちを救ったのは、段ボール箱いっぱいのファンレターと先生方の「何としてでも治す。心配するな」という気迫と励まし。
このことなくして、今ある自分はない。感謝!感謝!
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