小児マヒ。この病気に罹ったのは、私が中学1年生の時でした。
それは、突然の出来事で、朝目覚めると私の体は動かなくなっていました。当時は、手当ての方法もなく、その結果、四肢マヒが残り、歩くことすら不自由な状況が続きました。その後の懸命なリハビリによって、両足・左手のマヒは回復することができましたが、右手には現在でもマヒが残っています。
私は、病気になるまで、父が軍人であったこともあり、陸軍幼年学校を目指して勉強をしていました。しかし、この病気によって、断念せざるを得なくなり、研究者への道を歩むことになったのです。その結果、後年、ノーベル物理学賞を受賞するという栄誉が得られました。
私は、小児マヒによって人生の目標を打ちくだかれましたが、この病気に罹らなければ、今日の自分はなかったともいえます。
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