健康交差点No.28 エッセー 診察室から 前号 目次 次号
私の人生を変えた病
小柴昌俊(東大名誉教授)

 小児マヒ。この病気に罹ったのは、私が中学1年生の時でした。

 それは、突然の出来事で、朝目覚めると私の体は動かなくなっていました。当時は、手当ての方法もなく、その結果、四肢マヒが残り、歩くことすら不自由な状況が続きました。その後の懸命なリハビリによって、両足・左手のマヒは回復することができましたが、右手には現在でもマヒが残っています。

 私は、病気になるまで、父が軍人であったこともあり、陸軍幼年学校を目指して勉強をしていました。しかし、この病気によって、断念せざるを得なくなり、研究者への道を歩むことになったのです。その結果、後年、ノーベル物理学賞を受賞するという栄誉が得られました。

 私は、小児マヒによって人生の目標を打ちくだかれましたが、この病気に罹らなければ、今日の自分はなかったともいえます。

診察室から 薬のことは、かかりつけ医に相談しましょう
 薬には、必ずといっていいほどに副作用があります。どちらかといえば、良く効く薬ほど副作用が多いものです。

 医師が薬を処方する時には、常に副作用のことを考えて、皆さんにいろいろな説明や注意をしています。皆さんが、自分の判断でコンビニなどの一般小売店で購入する薬にも、やはり副作用はあります。自分の判断で薬を服用する時には、薬の副作用の怖さを考えて、十分な注意が必要です。

 薬は、原則として、医師の処方に従って服用するようにしましょう。

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