健康交差点No.38 エッセー 診察室から 前号 目次 次号
自分の体を知ること
桂 歌丸(落語芸術協会長)

 祖母に育てられたので、大変わがままな少年時代だった。歳を取ってから、それがマイナスに働いたこともあるが、今の時代は、お年寄りに育てられた人間の方が、あいさつにしろ、歩き方や箸の持ち方にしろ、常識を持っているような気がする。お年寄りと同居している家庭が本当は一番良いのかも知れない。

 趣味の釣りは長く続いていて、夏はダム湖をエンジン付きボートで遡ってイワナ釣りに行き、冬は相模湖にワカサギ釣りに出かけていく。釣竿の本数も相当貯まってしまったが、タナゴ竿のように使えなくなった竿も多いのが残念だ。ブラックバス等の外来魚を心無い人たちが無節操に放流した結果、日本の河川の生態系がかなり壊れてしまったからだ。

 基本的に何もしないことが私の健康法だが、年1回の人間ドックは40年近く継続中だ。また、信頼のできる近所のかかりつけ医を持つことも1つの方法だ。以前のデータがあるので、自分の体を知り、管理できるからだ。

診察室から 混合診療ってなに?(1)
 最近、「混合診療」という言葉をよく目にしますが、その意味をご存知ですか?

 「混合診療」とは、健康保険の範囲内の分は健康保険で賄い、範囲外の分を患者さん自身が費用を支払うことで、費用が混合することですが、日本の健康保険制度ではこれまで禁止されてきています。

 一見、便利そうに見えますが、「混合診療」が導入された場合、健康保険による診療範囲の縮小や患者さんの経済的負担増、お金の有無による不公平などを招く危険性があるといえます。

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