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平成27年(2015年)10月20日(火) / 日医ニュース

しくじり先生

 某民放局に「しくじり先生 俺みたいになるな!!」という番組がある。有名人が自身のさまざまな失敗談を、教訓を含め紹介していく。当然、暗い話が多いはずだが、見終わってもあまり重苦しい気持ちにならない。番組構成のなせる技だろう。
 来沖当初、私も、「平安山(へんざん)」「仲村渠(なかんだかり)」などの名字が読めず、「へいあんやま」さん、「なかむら?」さんと呼び、苦笑を誘ったものだ。
 私達の周囲では、ヒヤリ・ハット事象の報告などが、自身の「しくじり」を報告する機会の代表だ。しかし、医療の領域では、当然のことながら関係者が真剣に再発防止対策に取り組む。
 1回の重大事故の背後には、29回の軽微な事故があり、更にその背後には約300回のヒヤリ・ハット(小さなしくじり)が隠れているとはよく聞くことだ。
 最近、診療中に、患者さん達の、医療の不確実性への理解不足、無理解を感じる。
 医療行為に関しては、たとえそれが不可抗力によるものであっても、患者サイドへの不利益の存在自体を許さないという風潮だ。困ったものである。
 そんな中、10月1日から医療事故調査制度が始まった。
 予期しない死亡事故などが起きた場合に、医療機関の管理者は「医療事故調査・支援センター」に報告し、同時に院内でも事故調査を始めなければいけない。
 小規模クリニックでは、自院だけでは不可能なため、県医師会の助力が必要だ。
 この制度が、医療側の責任追及のみに使われることが決してないような運用が切に望まれる。
(和)

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