私には、尊敬している神奈川県の湘南の地に縁(ゆかり)のある歴史上の人物がいる。世間的にはあまり知られていないので、その名前を聞いたことがある人は、きっと少ないと思う。
その人は、平野友輔(ひらのともすけ)と言って、日本の医師、政治家(衆議院議員)だった人である。1857年1月9日に相模国高座郡藤沢宿(現:藤沢市)で生まれ、読書院(後の耕余塾)に通い、小笠原東陽に漢学を学んだ。1883年に東京大学医学部別課を卒業し、翌年、神奈川県南多摩郡八王子に移住し医院を開業した。
その後、1889年に郷里の藤沢に戻り医院を開業した。その一方、政界浄化のため、1902年8月の第7回衆議院議員総選挙で神奈川県郡部から無所属で出馬して当選し、衆議院議員を一期務めた。女性権利の拡張を主張したことでも知られている。
さて、平野友輔は、明治元年が1868年だから、その頃11歳で、帰郷して医院を藤沢に開業したのが1889年なので32歳くらい、1902年に衆議院議員に当選したのが45歳くらいと思われる。亡くなられたのが1928年なので71歳ということは、昔の人にしては長生きだったのだろう。
私は1957年生まれなので、平野友輔とはちょうど100歳違いのわけであるが、先駆的に地域医療の推進に奮闘した、この尊敬すべき人物が頑張った神奈川県の湘南の地で、今しばらく医療と医政に全力で取り組んでみたいと思っている。
(紳)