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平成27年(2015年)11月20日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

男女共同参画委員会中間答申まとまる

定例記者会見

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 笠井英夫常任理事は、男女共同参画委員会が、会長諮問「輝く女性医師の活躍を実現するための日本医師会の役割」を受けた検討の中で、「多様な働き方とその評価」の視点を、「新専門医制度」と「施設基準の緩和」に反映させるべきとの意見があったことを踏まえて取りまとめた中間答申を、10月9日に、小笠原真澄委員長(秋田県医師会理事)から横倉義武会長に提出したことを明らかにした。
 中間答申は、(1)はじめに、(2)新専門医制度について、(3)施設基準の緩和について─からなっており、女性医師の活躍を更に推進していくためには、医療界はとりわけ多様性が価値を生む領域であることを認識し、多様な働き方とその実績を評価する仕組みが求められるとして、いずれも喫緊の課題である「新専門医制度」及び「施設基準の緩和」について、その仕組みに関わる視点から提言を行っている。
 (2)では、新専門医制度の研修・更新等が、結婚、出産、育児等のライフイベントと重なる女性医師にとって、臨床実績を積み重ねることが高いハードルにならないようにすべきであるとするとともに、女性に限らず若い医師達が疲弊せずにいきいきと力を発揮して成長していける制度でなければならないとし、以下の4項目について要望している。
 (1)出産・育児休業、介護休業等の事由によるプログラム休止・中断への配慮、および研修再開後の体制(短時間勤務に対する言及)への配慮では、短時間勤務の期間にあっても、確実に実績をカウントできるようなシステムの構築を要望している。(2)基幹研修施設、関連研修施設等の施設基準の設定についての配慮では、専門医制度整備指針において、専門研修施設の認定基準の項目に「ワークライフバランスの推進も含めた職場環境の整備に関すること」を加えることを求めている。
 また、(3)更新時においての期間延長等の配慮では、短時間勤務や非常勤勤務においても診療実績が評価されるシステムとなるようプログラムの審査・検証を要望。(4)専門研修カリキュラムにおける日本医師会生涯教育講座の利用の推進については、専門医の認定、更新共に研修項目として必須とされている「医療安全」「感染対策」「医療倫理」に関する講習会や望ましい項目としての「医療事故・医事法制」「医療経済(保険医療等)」に関する事項は、日医生涯教育講座として実施するようにすべきであるとしている。
 (3)では、診療報酬の施設基準に規定される「専従の常勤医師」は、その仕事だけに従事する常勤医師で、複数の非常勤医師が合算して所定労働時間を満たしたとしても、施設基準をクリアしたことにならないことから、施設基準の要件を見直して、「複数の短時間正社員の合算による常勤換算」を認めるよう要望している。
 同常任理事は、日医生涯教育講座の利用については、既に日医から日本専門医機構に対して働き掛けを行っていると説明。施設基準における「専従の常勤医師」の配置の見直しについては、「ワークライフバランスの推進は、医療現場の労働環境の改善にもつながる。女性医師の活躍を推進していくためにも、次期診療報酬改定に向けて、中医協などでの議論を通じて更に働き掛けを行っていきたい」と述べた。

※外字は代替文字で標記しております。

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