閉じる

平成27年(2015年)6月5日(金) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

医師主導による医療機器の開発・事業化支援を開始

 羽鳥裕常任理事は、医師主導による医療機器の開発・事業化支援について説明した。

 同常任理事は、まず、医療機器における日本の市場規模はアメリカに次いで世界第二位であるが、そのうち海外からの輸入が半分近くを占め、日本からの輸出金額も、輸入金額の半分にも満たず、長く輸入超過の状態が続いている現状を説明。そうしたことを踏まえ、本年4月に文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省により「日本医療研究開発機構」(AMED)が設立されたことから、日医として、このAMEDと連携し、新しい医薬品や先進治療等の開発を促進していく考えを表明した。

 このうち、医療機器について日医が行う支援の内容は、(1)医師のアイデアを募集・登録し、その案件の目利きを行う業務(2)登録された案件をAMEDに橋渡しする業務(3)医師に対する相談業務(4)専門的知識を有する事業者に橋渡しする業務─の4つであるとし、全ての医療機器(単体プログラムも含む)を支援の対象とするとした。

 支援の流れについては、「ステップ1」として、市場調査の部分を含めて、医師のアイデアやシーズの目利きを行い、この目利き部分で、開発や事業化の可能性が高いと判断された場合、個別面談により進め方を決定(ここまでは、日医の会員・非会員を問わず無償で実施)。
 「ステップ2」では、医師の希望を踏まえ、具体的にはAMEDへの橋渡しや相談業務、コンサルティング会社の紹介などが行われることになるとした(ステップ2では、日医非会員は、登録料「10,000円」を徴収)。

 また、支援業務は6月上旬より開始し、当面の間、日医総研が担当すると説明。更に、医療機器の開発・事業化が実現可能となる案件の見極めや、開発から事業化に至る相談業務は、専門知識が必要であることから、本支援業務では、「株式会社日本医療機器開発機構」と協力して実務を行っていくとし、「これにより、試作品の開発から知的戦略の立案、海外での事業化に至るまで、広く支援が行える」との期待感を示した。

 最後に、同常任理事は、「本支援は開発アイデアを持ちつつも日常診療に忙殺されている先生方への支援を行うものであるが、多くの若手医師に対する治療技術の更なる向上への啓発という意義も大きい」と述べるとともに、この業務を円滑に、継続的に実施していくためには、費用の面も考えていかなければならないことから、日本医学会を始めとする医療関連団体や厚労省、AMED、医療機器のメーカーや団体との連携を積極的に図っていく意向を示した。

戻る

シェア

ページトップへ

閉じる