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平成28年(2016年)1月20日(水) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

日医・民間病院フランス医療・福祉調査団の報告書まとまる

日医定例記者会見 平成27年12月24日・平成28年1月6日

 鈴木邦彦常任理事は、自らが団長を務める「日医・民間病院フランス医療・福祉調査団」が、報告書「イギリス型に近づくフランス医療─日本は既存資源の活用が重要─」を取りまとめたことを報告し、その内容を説明した。
 同医療・福祉調査団は、医療関係者と学者の13名ほどで組織されており、平成19年からヨーロッパ諸国等の医療の実態を把握するため、各国への訪問調査を実施。鈴木常任理事が日医役員となった平成22年からは、日医からも支援を行っている。
 今回は、7年前、4年前に次いで3回目の訪問となるフランスの医療の実態を把握することを目的として、「フランス医療・福祉調査団」を結成。
 平成27年4月26日~5月10日の日程で、フランスのパリに所在する医療機関、介護施設等を訪問調査した。
 報告書は、(1)調査の目的と成果および提言について、(2)調査団名簿、(3)日程表、(4)報告書(各調査団員による報告書、現地講師の講演記録、講演資料)─などにより構成。
日医・民間病院フランス医療・福祉調査団の報告書まとまる その中では、今回の訪問調査を踏まえて、財政難と高齢化に苦しむわが国の医療提供体制の改革について、(1)垂直連携中心から水平連携中心へのパラダイムシフトに対する対応が必要(2)高度急性期・急性期に特化した急性期の大病院と国の財政負担を考慮した必要病床数を確保すべき(3)新たな専門医も含めた日医によるかかりつけ医機能の充実・強化が必要(4)郡市区医師会等はかかりつけ医機能を持つ医療機関を活用して効率的で次の世代にも有効な地域包括ケアシステムを構築すべき(5)必要な財源を確保した上で、医療機関、介護施設をアベノミクスの地方への波及や地方創生に活用すべき─などの提言を行っている。
 同常任理事は、フランスの医療制度は日本の医療制度に近く、非常に優れているとの認識を示した上で、今回のフランス訪問調査では、ARS(地方医療庁)の強権的な姿勢が強く印象に残っているとした他、「フランスの医療制度は、かかりつけ医制度の導入と病院への公的コントロールの強化を通じて、よりイギリスの国民保健サービス(NHS)に近づいており、今後もその行方を注意深く見守っていきたい」と述べた。



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