第21回被災者健康支援連絡協議会が1月25日、日医会館小講堂で開催された。本協議会は、平成23年4月22日政府の被災者生活支援特別対策本部からの協力要請を受け、東日本大震災の被災者の健康を支援することを目的として設置したものであり、現在19組織(38団体)により活動を行っている。
嘉山孝正事務局長(山形大学医学部参与)の司会で開会。
冒頭、横倉義武代表(日医会長)は、「東日本大震災から5年が経過しようとしている。現在でも、復興のための力添えがまだまだ必要な状況が続いているが、あの時、大混乱の中で医療界として何ができるか、毎日会議を開き議論したことを思い出す」と、東日本大震災発災当時を振り返るとともに、「最近では、鬼怒川の豪雨水害、御嶽山の噴火などが発生し、今後も、南海トラフ大地震、津波、首都直下地震、富士山噴火など、さまざまな災害が想定される」として、実証実験を含めた形での災害訓練を各都道府県医師会と共に行っていることなど、日医の活動を報告。
その上で、同代表は、「日医が防災対策基本法上の指定公共機関の指定を受けるとともに、私が本協議会の代表という形で、中央防災会議の委員に就任した。災害が起きた時は、政府と民間で最大限の協力が必要であり、そのためのプラットホームとして、本協議会を継続していくことが大切と考えており、引き続きご協力をお願いしたい」と述べた。
続いて、羽生田俊事務局長(前日医副会長)の退任に伴い、横倉代表が、今村聡日医副会長を新たに事務局長に加えることを提案し、承認された。
引き続き、今村事務局長(日医副会長)の司会の下、「横倉代表の中央防災会議の委員就任、日医の指定公共機関の指定」について、石井正三日医常任理事が説明した。
本協議会の参加団体が公的な責務を担うことに
石井常任理事は、「日医の災害対策基本法に基づく『指定公共機関』」の指定について、特に、「東日本大震災でのJMAT活動が評価されたこと」や「全ての都道府県医師会が既に指定地方公共機関として指定されており、防災行政に参画していること」などを理由に内閣府より平成26年8月に指定を受けたことを報告。また、「横倉代表の中央防災会議の委員就任」については、被災者健康支援連絡協議会の代表の立場として参画することになったとし、「このことは次の大規模災害に向けて、日医だけではなく、本協議会の参加団体が公的な責務を担うことになったことを意味している」と説明した。
更に、同常任理事は、直近の日医の活動として、平成27年9月の台風18号による「関東・東北豪雨」被害に伴い、被災県へ状況確認を行うとともに、大きな被害を受けた茨城県医師会と連携し、JMAT茨城への支援を行ったことを報告した他、JMAT茨城の活動について紹介した。
その他、当日は、復興庁より東日本大震災からの復興状況と課題について、日本歯科医師会、日本看護協会、全国医学部長病院長会議、日本病院会、日本栄養士会、大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会より、資料を基に、東日本大震災や「平成27年9月関東・東北豪雨」被害への取り組み状況がそれぞれ報告された。
最後に、横倉代表が各団体に対して、「日頃から災害に向けた準備を怠らないようにするとともに、行政とも密な連絡を取って頂きたい」と述べ、協議会は終了となった。