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平成28年(2016年)11月20日(日) / 「日医君」だより / プレスリリース / 日医ニュース

次期世界医師会長として広範な課題に取り組む決意を示す

 横倉会長は、WMA次期会長に選出されたことを受けて、10月26日に記者会見を行い、自身及び日医にとって大変な名誉とした上で、「この重責を果たすため、より一層気持ちを引き締めて職務に臨む強い決意を新たにした」と述べ、次のように抱負を語った。
 同会長はまず、(1)日医が、日本のあらゆる医師を代表する団体として、政府・与党と時には激論を戦わせながらも緊密な関係を保持しつつ、国民に適切な医療が提供できるよう、日本の医療を正しい方向に導くように努めていることは、WMAの中にあっても、多くの医師会から高い評価を得ている、(2)加盟医師会の中で、日医のように政府と直接対話のできる医師会は少なく、特にアフリカ諸国やアジアの途上国の医師会にとって、WMAへの加盟は自国の医療を守るための手段の一つであり、WMAの活動、発信する宣言、決議、声明に頼り、期待し、支援を求めている状況にある―ことなどを説明。
 その上で、「日医会長がWMA会長を務めるということは、それらの医師会からこれまで以上に多くの期待が寄せられることになるということを認識し、しっかりと受け止め、対処していきたい」とした。
 一方、グローバリゼーションの進展とともに、地球規模での医療界を取り巻く数多くの問題が国境を越えて立ちはだかる中、その解決の原動力としてWMAが果たしてきた役割は非常に大きく、Healthcare in Danger(危機にさらされる医療)、Climate Change(気候変動)、そしてSocial Determinants of Health(健康の社会的決定要因)等、喫緊の課題へのWMAとしての取り組みが急務となっていると指摘。
 また来年9月に、「Terminal Illness of Aging(高齢者の終末期医療)」をテーマに、CMAAO会長として東京総会を主催することを報告。関連する既存文書の見直しの過程でアジアの意見を取りまとめ、WMAにフィードバックしていきたいとした上で、CMAAOの活動をより活性化させ、WMAとの関わりを一層緊密なものとし、アジア大洋州地域の医師の声がWMAに届くよう努めることは、両団体の活動に深く携わる日医会長としての大きな使命であるとした。
 更に、同会長は日医会長3期目の所信表明において、「国民の健康寿命を世界トップレベルにまで押し上げてきたわが国の優れた医療システムについて、世界が経験したことのない高齢社会を"安心"へと導くモデルとして発信することで、世界中の人々の幸福の実現に貢献したい」との思いを述べたことに言及。世界の地域には、各国固有のさまざまな健康問題があることから、WMAとしても、医療分野における広範な課題に取り組んでいかなければならないとした。
 その他、将来の医療を見据え、時代の要請に応じた若手医師の育成と環境整備は非常に重要だとして、WMA―JDN(World Medical Association Junior Doctors Network)を通して、若手医師の活動をしっかりと支えていきたいとの考えを示した。
 最後に、同会長は、「全ての人々が安心して健康的な生活ができる環境をつくることが医師の使命だ。そのためにも、世界中の医師達がWMAを通じて緊密な連携を保つ必要がある」と述べ、WMAの存在感をできるだけ高め、その活動が更に周知され、より大きな成果がもたらされるよう努力していくとの決意を明らかにした。

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