日医役員が出席した主な外部審議会(1月16日~25日開催)の概要を紹介する。
―中医協― (報告・中川・松原両副会長、松本(純)常任理事)
中医協診療報酬基本問題小委員会、総会並びに薬価専門部会が1月25日、厚生労働省で開催された。
基本小委の議事は、「平成30年度診療報酬改定に向けた医療技術の評価・再評価に係る評価方法等について(案)」であり、例年どおり学会から技術評価の提案書を提出する際、その様式を工夫すること及び評価する時間を確保するために受付時期を早めることが厚労省事務局より提案され、了承された。
総会では、主に「入院医療」について議論が行われた。
松本純一常任理事は、「病床稼働率が低下傾向にあり、地域に密着した医療が増加している。今後はかかりつけ医を中心として、かかりつけ機能を持つ診療所など、地域のさまざまな資源と連携する地域包括ケアシステムないし在宅医療が中心となる。機能分化も必要であるが、地域に応じた地域包括支援システムが機能するように、おのおのの機能を明確化するよう診療報酬上で手当てすることが必要」と主張した。
また、支払側委員が「急性期病床で回復期の患者を診ることはあってはならない」と発言したことに対し、中川副会長は、「急性期病床に入院する患者が100%急性期ということはあり得ない」と強く指摘。
加えて、厚労省事務局に対し、「地域医療構想は医療機能の過不足を直すものではない。不足している病床機能を手当するものであり、全国一律の診療報酬で地域医療構想を推進することはあり得ない。4つの医療機能のいずれを選択しても経営が成り立つようにすべき」と述べた。
これに対し厚労省事務局は、「『適切な医療機能に対し、適切な報酬を』というのは指摘のとおりである」と述べ、今後、各種課題を深掘りし、診療報酬に反映させていくと回答した。
更に、中川副会長は、いわゆる25対1(療養病棟入院基本料2)の取り扱いについて、「介護療養病床が廃止となる平成29年度末に25対1の医療療養病床の経過措置が終了するが、介護療養病床はその後6年間の経過措置があり、新施設に移行していく。医療療養病床からも新施設に行くことは可能であり、医療療養病床にも同様の措置を講ずるべき」と提案した。
薬価専門部会では、「薬価制度の抜本改革」について議論が行われた。
外国平均価格調整については、リストプライスであるアメリカの価格を除外する方向性に異論は出なかった。
また、類似薬効比較方式の参照薬について、中川副会長は、「製造工程、製造方法の違う薬は類似薬効の対象とすべきではない」と主張。更に、薬価制度の抜本改革全体について、アメリカの政権移行に伴う影響に言及し、「中医協として覚悟を持って取り組む必要がある」とした。