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平成29年(2017年)10月20日(金) / 日医ニュース

異文化交流

 政府のキャンペーン、2020年東京オリンピック・パラリンピック誘致成功、日本文化が世界的に注目されたことなどで、外国人観光客が急増し、昨年度は2000万人を超えた。沖縄県でも外国人観光客数はここ数年うなぎ上りだ。それに伴い医療機関を受診する外国人数も前年比100%増で推移している。その多くはアジア、台湾、中国からの人々だ。
 外国人が受診される際、まず言葉の問題が生じる。しかし、最近はスマホアプリなどが優秀で、通常の外来診療は通訳無しでも対応可能だ。ただ、診療には時間がかかり、他の患者さんに迷惑をかけてしまう。心苦しく思うが、皆さん優しくお待ちくださる。日本人のやさしさに感謝だ。
 しかし、入院や検査、手術など、複雑な医療を行う場合には医療通訳が必要となる。以前から人材育成を行っているが、まだ十分ではない。
 一方、沖縄県は、アジアの国々からは近くの外国ということで、気軽に海外旅行に来られる。
 この方達は、旅行保険も掛けずに、掛けても少額で済ませ、来県されることが多い。万が一の大病の場合、治療費が保険で賄えず、医療機関が高額の未払い金を計上することになる。幸い、一部の県人会が篤志を募り、基金を発足させ対応に乗り出した。
 それでもまだ問題は残る。文化的な差による考え方の違いだ。これは観光客だけの問題ではない。「検査は、異常がなくても医療費を支払ってください」「保険診療に値引きはありません」こういうことを理解して頂くために、まだまだ努力を続ける必要がある。

(和)

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