第1回日本医療研究開発大賞の表彰式が昨年12月13日、総理官邸で開催され、横倉義武会長が出席した。
本賞は平成28年11月、横倉会長が安倍晋三内閣総理大臣と会談した際、医療研究者等を顕彰するための「内閣総理大臣賞」の創設を強く要望した(別記事参照)ことを受けて設けられたものである。
その対象者は世界の医療の発展に向けて、医療分野における研究開発の推進に多大な貢献をした個人や団体となっている。
受賞者の選考は、内閣官房に設置された健康・医療戦略室が有識者でつくる選考委員会(主査:永井良三自治医科大学学長)にて行われ、横倉会長も構成員の一人として参加した。
その結果、健康・医療戦略推進本部長(内閣総理大臣)賞には田中啓二東京都医学総合研究所理事長、健康・医療戦略推進副本部長(健康・医療戦略担当大臣)賞には大塚製薬がそれぞれ選ばれた。
田中理事長は、タンパク質分解装置である「プロテアソーム」を発見し、その構造と機能の解明に尽力。プロテアソームに対する分子標的薬を含めた抗がん剤開発の先駆けとなった。
一方、大塚製薬は、既存の結核治療薬では治療の困難だった多剤耐性結核菌に対して有効な新薬「デラマニド」を開発し、世界の結核・感染症対策に貢献した。
なお、その他の受賞者は次のとおり。
文部科学大臣賞:石野良純九州大学大学院農学研究院教授
厚生労働大臣賞:東芝メディカルシステムズ、片田和広藤田保健衛生大学医学部名誉教授、遠藤真広医用原子力技術研究振興財団常務理事
経済産業大臣賞:東京女子医科大学先端生命医科学研究所、早稲田大学先端生命医科学センター
日本医療研究開発機構(AMED)理事長賞:西増弘志東京大学大学院理学系研究科助教、木村建次郎神戸大学大学院理学研究科准教授、武部貴則横浜市立大学大学院医学研究科准教授、橋口隆生九州大学大学院医学研究院准教授