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平成30年(2018年)9月20日(木) / 日医ニュース

かかりつけ医をもつことの意義を強調

かかりつけ医をもつことの意義を強調

かかりつけ医をもつことの意義を強調

 「日本健康会議2018」が8月27日、都内で開催された。
 「日本健康会議」は、少子高齢化が急速に進展する日本において、国民一人ひとりの健康寿命の延伸と適正な医療について、民間組織が連携し、行政の全面的な支援の下、実効的な活動を行うために、平成27年7月に発足した活動体である。現在は、経済団体、医療関係団体、保険者等の民間組織や自治体を含めた32団体が実行委員として名を連ねており、横倉義武会長が共同代表を務めている。
 会議は、共同代表の三村明夫日本商工会議所会頭の主催者あいさつにより開会。引き続き、加藤勝信厚生労働大臣、世耕弘成経済産業大臣から来賓あいさつが行われた。
 加藤厚労大臣は、予防・健康づくりの取り組みが全国に広がることに期待感を示すとともに、国としてもしっかり支援していく意向を表明。世耕経産大臣は、「健康寿命の延伸は経済にとっても大変重要なことであり、加藤厚労大臣としっかりタッグを組んで取り組んでいきたい」と述べた。
 引き続き、渡辺俊介日本健康会議事務局長からは、「平成30年度保険者データヘルス全数調査」の結果を基に、「健康なまち・職場づくり宣言2020」の達成状況についての説明が行われた。「八つの宣言のうち五つの宣言が目標を達成できた」として感謝の意を示すとともに、日本健康会議の取り組みを全国に広げることが「経済財政運営と改革の基本方針2018」に書き込まれたことに言及。「可能であれば国民運動として、この動きを全国に広げていきたいと考えており、引き続きの協力をお願いしたい」と述べた。
 その他、全国健康保険協会、健康保険組合連合会、全国後期高齢者医療広域連合協議会並びに地域での健康寿命延伸・健康づくり推進の先進県(福井・福岡両県)からは、それぞれの取り組みに関する報告がなされた。
180920n2.jpg 「日本健康会議―成果と今後の取組み―」と題して講演した横倉会長は、国民一人ひとりに対して、生涯を通じて全人的に関わり、「地域住民が病気とうまくつき合いながら生活すること」を支援し、可能とする存在が、地域のかかりつけ医であるとするとともに、かかりつけ医をもつことの意義を強調。地域や職場での健康教育等、さまざまな機会を通じて、その意義等を周知啓発することに対する協力を求めた。
 予防・健康づくりに関しては、「できるところだけがやるという話になってはならない」と指摘。日医が養成している「認定健康スポーツ医」の他、健康運動指導士、栄養士など、地域の人材の活用を求めるとともに、「その活用のためにも、地域医師会を始め関係団体との連携づくりを進めて欲しい」とした。
 更に、予防・健康づくりの機運を全国に浸透させていく上で、日本健康会議の地域開催は非常に有効な取り組みとの認識を示し、日医でも本年6月15日に都道府県医師会の担当役員を集め、都道府県版の日本健康会議の開催・設置を含め、予防・健康づくりへの取り組みの推進に向け、協力を求めたことを報告した。
 引き続き、午後の部では六つの講演が行われた。
 今村聡副会長は、「日本医師会が推進する糖尿病対策」として、まず、標準的治療の普及と質の向上による重症化予防の推進を図ることを目的に実施している「日本医師会かかりつけ医糖尿病データベース研究事業(J―DOME)」を紹介。
 更に日医が日本糖尿病対策推進会議、厚労省との間で、糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定を平成28年3月に締結。今年度中には全ての都道府県で「重症化予防プログラム」が策定される予定であることなどを説明し、各地域にも設置されている糖尿病対策推進会議との連携を呼び掛けた。
 また、今後、地域での取り組みの推進に当たっては、計画策定段階から地域医師会を含め、関係団体等と相談しながら進めていくことが重要であるとした。

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