「ユネスコ生命倫理学講座 第13回生命倫理、医の倫理、医療法世界会議」が昨年11月27日から29日にかけて、世界医師会(WMA)、イスラエル医師会、世界精神学会、世界教育連盟、イスラエルのハイファ大学国際保健・法律・倫理センター、イスラエル弁護士会、イスラエル医療法学会、国際医学生連盟の後援の下に、イスラエルのエルサレムで開催された。
本講座は、2001年にユネスコとハイファ大学の合意により同大学国際保健・法律・倫理センターに設置されたもので、その目的は、(1)生命倫理教育の向上のために教育研修機関の国際ネットワークを組織し活動すること〔この目的のために、国・地域を基本とする支部(Unit)からなる、ユネスコ生命倫理学講座国際ネットワークが構築された〕、(2)世界の医学校で必要とされる医療倫理教育のためのシラバス(授業課題)を改善すること―などである。
今回の会議は、生命倫理、医の倫理、医療法における情報や知識の交換、議論、講義、ワークショップ、データベースの活用におけるプラットフォームを提供することを目的として開催された。
同会議の議長からのWMAに対する出席要請を受け、横倉義武会長(WMA前会長)は、星北斗参与(WMA理事)、オトマー・クロイバーWMA事務総長、レオニード・エイデルマンWMA会長(イスラエル医師会前会長)、インド医師会R.N.タンドン事務局長などと共に出席。参加者は、医師、弁護士、看護師、心理学者、倫理委員会委員、医学生等を含めて約300名であった。
27日には、学術プログラムが分科会方式で行われ、終末期のジレンマ、自殺ほう助、終末期の意思決定における家族の立場、安楽死と医師のほう助、倫理的課題への挑戦をテーマにしたセッションに出席した。
その中では、ハーバード大学医学部のテリー・バード教授他の座長の下、イギリス、イタリア、イスラエル、中国の演者による講演が行われた。
会期中、横倉会長は、本年6月に予定しているユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進を目的とした「Health Professional Meeting(H20)2019」について、クロイバーWMA事務総長と打ち合わせを行い、その方向性を確認した。
また、エイデルマンWMA会長主催夕食会では、WMAの今後のあり方、本年5月にイスラエルで開催されるWMAのイベント及びH20等について懇談した。