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平成31年(2019年)1月20日(日) / 日医ニュース

スマホ時代

 小学校低学年を対象とした企画を医師会で行い、参加者をQRコードで募集したところ、1437組4385人の応募があり、30歳〜49歳が93%を占めた。
 その内訳は、スマートフォン(スマホ)利用が84%、PC利用が16%だった。
 電車内で多くの乗客がスマホを操作している姿は、歴史上の人物達が笏(しゃく)を持っている姿と重なり、異様とも感じる。私も同様にスマホを笏のように持ち、情報を仕入れている。
 笏は、元々備忘録など情報を書いた笏紙を裏に貼りつけカンニングに使っていたらしいので使い方は同等だ。
 スマホは高性能化し、カメラ機能はデジカメより性能が良いものもある。音楽再生も専用機は不要で、録音機能は会議では重宝する。翻訳機として外国人患者への対応にも役立つ。
 小さな文字を拡大して読め、目の疲労時は書類を読み上げてくれる。ネットワークを利用して多くの人と情報交換もできる。認知症の予防にも利用されている。スマホは多方面で無限の可能性を秘めている。
 しかしその反面、インターネットを利用した犯罪が多発し、年齢によっては成長期の脳の発達にスマホは悪影響があるなど、好ましくない面もある。
 先日開かれた脳科学の講演会で、5歳〜18歳の224名の3年間の脳発達をMRIで計測した結果、インターネット習慣の多い小児は3年後に広範な領域で大脳皮質の体積があまり増加しないという発表があった。
 人類が発明したスマホという便利な道具を、単なるコマーシャルベースで増殖させるのではなく、良い方向に進化させるために、私達利用者は更なる理性と英知を注ぎ込まなくてはならない。

(フェランド)

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