平成30年度都道府県医師会ドクターバンク・女性医師支援担当役職員連絡会が1月18日、日医会館小講堂で開催された。
道永麻里常任理事の司会で開会。今村聡副会長/日医女性医師支援センター長は冒頭のあいさつで、女性医師支援事業に対する関係者の協力に謝意を示した上で、「本日の議論や都道府県医師会の実態を踏まえ、女性医師の再就業支援等、地域における医師確保等に役立つ事業展開を図っていきたいと考えている。今回は都道府県医師会ドクターバンク・女性医師支援担当役職員が一堂に会する貴重な機会でもあり、忌憚(きたん)のない意見をお聞かせ願いたい」と述べた。
議事では、まず、小玉弘之常任理事が、日医が都道府県医師会を対象に実施した「平成30年度ドクターバンク事業に関するアンケート調査」の結果を概説。「ドクターバンクがうまく機能していない」「運営手法、費用の問題で開設できない」などの意見が挙げられていることを紹介し、効率的な運営を行うためにも「全国レベルでの情報共有」が重要になるとの考えを示した。
また、女性医師バンクを中心とした日医女性医師支援事業を効率的かつより有効的なものとするため、(1)各都道府県医師会内に日医女性医師バンクのコーディネーターを置くこと、(2)コーディネーター研修会の開催―の二つの施策を検討中であることを説明。
(1)については、より地域の実情を把握したコーディネート体制への強化が可能となるとする一方、特に希望がない都道府県医師会については、従来どおり中央センターでコーディネートを担うとした他、新たに、都道府県医師会内にドクターバンク機能を開設希望の場合、コーディネーターの配置支援に加えて、①各都道府県医師会専用のホームページ(検索システム)の作成②コストの掛かる広報・広告は中央センターで実施―等の支援も検討中であるとした。
その上で、同常任理事は今回の施策について、「都道府県医師会においてコーディネーター未配置のところはコーディネーター機能を、ドクターバンク未設置のところはドクターバンク機能を強化することが可能になるだけでなく、コーディネーターを既に配置しているところは今まで以上に日医女性医師バンクとの連携強化を図ることができる」とし、本事業に対する理解と協力を求めた。
続いて、日医女性医師バンクのコーディネーターが、日医女性医師バンク事業の活性化に向けた取り組みを紹介。「求める情報が探しづらいなど、ホームページの利便性が悪い」「検索サイトで上位に表示されず認知度が低い」「施設の紹介までに時間が掛かるなど、利用者への対応が不十分」など、本事業の問題点を改善するために、(1)ホームページのリニューアル、(2)広報・営業活動の強化、(3)運営体制の見直し―を行ったことを報告した。
(2)では、WEBを使った登録数を増やすための施策として、新たにSEO(検索エンジンの最適化)対策やリスティング広告等を実施・運用した結果、新規求職登録者の増加につながった、(3)では、「業務内容の見直し」「利用者へのフォロー体制強化」を行うとともに、登録者への定期的なアンケート調査を行い、ニーズを把握することで、新たな求職者の発掘につながったとした。
その後の質疑応答・協議では、人手不足・資金不足など、各地域の厳しい実情が訴えられた他、「行政等のドクターバンク事業との関係性」「有料のコンサルタント会社との差別化」「全国展開に向けた費用面等での日医の支援体制」に関して活発な意見交換が行われ、連絡会は盛会裏に終了した。
参加者は114名であった。