「医療基本法の制定にむけた議員連盟」が発足
総勢80名を超える超党派の国会議員で組織する「医療基本法の制定にむけた議員連盟」が設立されることとなり、その設立総会が2月6日に都内で開催され、日医からは横倉義武会長、平川俊夫常任理事、畔柳達雄参与が出席した。
日医ではこれまで、会内の医事法関係検討委員会が平成26年3月に「『医療基本法』の制定に向けた具体的提言(最終報告)」をまとめた後、平成28年7月には「医療基本法(仮称)にもとづく医事法制の整備について」を公表。これらを基に、医療基本法の制定を強く求めてきた。
当日は、まず、議員連盟の会長に選任された尾辻秀久参議院議員が、「今回の医療基本法は画期的なものであり、相当の覚悟をもってしっかりと仕上げていきたい」とあいさつした。
引き続き、事務局長に就任した羽生田俊参議院議員が、議員連盟発足の趣旨等を説明した。
羽生田事務局長は、「医療の提供側と医療を受ける側とで、それぞれ10年以上にわたって議論が行われ、時にはぶつかることもあったが、今は医療基本法を制定するという方向で一致している」とした上で、「国民目線の医療という考え方で、医療基本法を制定したい」と意欲を示した。
引き続き、患者団体等に続いてあいさつを行った横倉会長は、「医療提供者と患者との関係を議論する際に、基本となる法律が必要ではないかということで、医療基本法の制定を求めることになった。医療提供者と患者は対立構造で捉えられがちであるが、本来、闘うべきは病気やけがである。患者が闘い、それをいかに医療提供者がサポートしていくかという観点から、この法律がしっかりとしたものになればと考えている」と述べ、出席議員に協力を求めた。
続いて平川常任理事が日医における検討の経緯や基本的な考え方を説明した。
同常任理事は、「医療基本法は、憲法によって定められている生存権や幸福追求権等と医療法や医師法といった個別法を媒介する親法のような位置づけをイメージしている」との考えを示した上で、法律の内容については、医療提供者と患者、それぞれの権利と責務、国・地方公共団体等の責務を制定することを想定しているとした。
その上で、「医療界、患者、国民の総意としての法制定を目指したい。基本法の制定によってどのような医療の在り方が可能となるのか、より良い医療を実現するため、国民的な議論を醸成し、その中で合意を得ていきたい」と述べた。
その後の意見交換では、出席議員から、医療基本法制定の必要性を訴える意見が多く出された。
同議員連盟では、今後、検討スケジュールなどを決めた上で、国会に提出する法案の策定に向けた、議論を加速させていくことになっている。