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平成31年(2019年)4月5日(金) / 日医ニュース

ドクヘリ

 TVで救命センターの取材をしていた。ドラマ『コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』でなじみ深いドクターヘリ(以下、ドクヘリ)やドクターカーを所有し、出動件数は年間2000回を超え、一日平均6回と日本最多の救命救急センターだ。フライトドクター20名、フライトナース7名を擁し、運行管理室にはパイロット、整備士が待機する。
 電話が鳴ると会話の順番が決まっていて、「○○救急です。ランデブーポイントは○○地点」ここまでを聞いてパイロットはドクヘリに乗り込む。「72歳の男性、丸ノコで手を切断」これを聞いてフライトドクターが乗り込み、ドクヘリ要請から3分で出動する。
 東西の隣県を含め半径80キロメートルを守っている。救命センターへの搬送中に、2人目の症例、「6歳の子ども、痙攣(けいれん)」という連絡が入った。救命センターに到着次第、2例目のランデブーポイントへ再出発していた。
 「なぜこんなに頑張るのか」の質問にセンター長が、「断る(応需しない)ほうが労力がいる。」と答えていたのが印象的だ。
 2005年に死傷者600名以上を出したJR福知山線脱線事故で陣頭指揮を執った人物である。
 在宅医療を守る診療所医師にとって、常に応需体制がとれるように努力することは地域医療の質を維持するために大事なことである。
 「医師の働き方改革」は病院勤務医の働き方を中心に論議されているが、診療所医師の働き方も議論していかなくてはならない。
 全ての医師の健康が守られ、かつ地域医療提供体制の維持が両立されるために。

(洋)

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